近年、Webマーケティングは企業がオンライン上の施策を強化していることから、顧客との関係を築く上で欠かせない要素となっています。
しかし、WEBマーケティングによって事業成長を図るためには、WEBサイトの成長の可能性を見極め、効果を計測することが重要です。ここで登場するのがKPI(Key Performance Indicator)です。
KPIは、Webマーケティングの効果を定量的に評価するための基準であり、戦略の正当性を測る概念として活用されています。
この記事では、WebマーケティングにおけるKPIの設定方法を徹底解説します。具体的なステップや実際の事例を通じて、どのようにして適切なKPIを見つけ、設定するかを詳しくご紹介します。
WEBマーケティングにおけるKPIとは?種類・項目
Key Performance Indicators(KPI)とは、企業やプロジェクトにおける目標を達成するための、進行状況や目標の達成度を評価するための定量的な指標のことです。
KPIは、特定の目標や戦略的な方針に対する進捗状況を把握し、改善の機会や問題点を特定するために使用されます。
WEBマーケティングにおけるKPIは、主にWEB上で達成したい目標に対して必要な施策・対策のことを指すケースが多いです。
KGIとなる指標がWEBからの「お問い合わせ」なのか「資料ダウンロード」なのかによって構成されるKPIが異なるため、WEBマーケティングでKPIを策定する際には目的が何かを常に考えた上でKPIの評価を進めましょう。
KPIとロジックツリーとの違い
KPIを策定する際に、よくロジックツリーという言葉が混同して使用されているケースがあります。
KPIとロジックツリーは、両方とも目標達成を構成する要素を評価するための指標ですが、利用される目的が異なります。
KPIは具体的な数値や指標で目標達成を細分化するものですが、ロジックツリーは目標達成に至るプロセスやステップを階層的かつ、視覚的に表すツールです。
KPIをロジックツリーとして表すことで、数値のみでしか表せなかった指標を「施策の質」や「具体的な対策」などに落とし込み表すことが可能です。これにより、数値であるKPIを達成するために必要な施策を議論できることで、よりKPI(数値)の達成を確実かつ間違いのない結果にできるでしょう。
WEBマーケティングを例にすれば、以下のようなロジックツリーを描けるでしょう。
【目標(KGI)】
- サービスサイトページからのお問い合わせ数を月30件獲得する
【KPI】
- UU(ユニークユーザー数)
- お問い合わせページ流入UU数
- お問い合わせ実行率
【結果】
- 月間25お問い合わせ数(5つのお問い合わせが足りない)
これらをツリー上に可視化し表にすることで、ロジックツリーが完成します。
これらを可視化した上で「なぜ目標を達成できなかったのか」「どのKPIを改善すれば目標を達成できるのか」をロジックツリーを用いて議論することで、より目標達成の確実性を担保することができます。
WEBマーケティングにおける項目9個
WEBマーケティングにおけるKPIは多岐にわたりますが、以下にその中から10個の主要な項目を紹介します。
1.PV数(ページビュー)
ページビュー数は、Webサイト内のページが閲覧された回数を示す指標です。同一ユーザーが同じページを複数回閲覧しても、それは複数のページビューとしてカウントされます。
2.UU数(ユニークユーザー)
ユニークユーザー数は、一意のユーザーがWebサイトにアクセスした数を示します。同一ユーザーであっても、一定期間内に1回だけカウントされます。
3.セッション数(SS数・訪問数)
セッション数は、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから離脱するまでの一連の活動をまとめたものです。セッション数は、ユーザーの活動をまとめて理解するための重要な指標です。
4.CV数(コンバージョン)
コンバージョン数は、設定された目標(例えば、商品購入やフォーム送信など)を達成した回数を示します。Webサイトの目的に応じて異なるコンバージョンが定義されます。
5.CVR(コンバージョン率)
コンバージョン率は、ユーザーがWebサイトを訪れてからコンバージョンを達成する確率を示す指標です。CV数をUU数やセッション数で割った割合として計算されます。
6.回遊率・直帰率
回遊率は、複数のページを閲覧するユーザーの割合を示します。一方、直帰率は、1ページのみを閲覧して離脱するユーザーの割合を示します。これらの率はユーザーのWebサイト内での行動パターンを分析するのに役立ちます。
7.顧客単価(CPA)
顧客単価は、平均的な顧客がWebサイト上でどれだけの価値を生み出しているかを示す指標です。顧客ごとの収益を総顧客数で割って計算されます。
広告費やマーケティング費用を新しい顧客数で割って計算されます。
8.リピート率
リピート率は、過去にWebサイトを訪れたことがあるユーザーが再度訪れる割合を示す指標です。顧客のロイヤリティやWebサイトの満足度を反映します。
9.CTR(クリック率)
クリック率は、広告やリンクなどのコンテンツがクリックされる割合を示す指標です。クリック数を表示回数で割って計算され、広告キャンペーンの効果を評価するのに使用されます。
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WEBマーケティングでKPIの設定で押さえておくべきポイント3つ
WEBマーケティングの成功を評価するためには、適切なKPI(Key Performance Indicators)の設定が重要です。
KPIはビジネスの目標と合致し、進捗状況や成果を定量的に測定するための指標です。以下では、KPIの設定において押さえておくべきポイントを3つ紹介します。
自社の事業の収益ポイントから逆算したKPIを設定する
KPIを設定する際、まず重要なのは自社の事業の特性や収益ポイントを理解し、それに基づいてKPIを逆算することです。
自社のビジネスモデルや顧客のニーズに合わせて、どの指標が最も重要かを考えることが必要です。たとえば、ECサイトの場合は売上やコンバージョン率が重要なKPIとなるでしょう。逆に、情報提供型のWebサイトではPV数や滞在時間が重要かもしれません。
KPIはビジネスの中核に関わる要素と結びついているため、事業モデルを踏まえた設定が必要です。
各KPIの事業への貢献性を可視化する
KPIを設定するだけでなく、それぞれのKPIが事業にどのような貢献をするかを明確に可視化することも重要です。例えば、売上向上を目指す場合、特定のKPIがどの程度売上に寄与するかを数値化して理解することが必要です。
これによって、どのKPIにリソースを割くべきかや優先度を決定する際に役立ちます。各KPIの事業へのインパクトを定量的に把握することで、戦略的な意思決定が可能になります。
設定したKPIで運用しPDCAを回す
KPIを設定したら、それを実際のマーケティング活動に適用し、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回すことが重要です。計画(Plan)を立て、実行(Do)し、結果を評価(Check)し、必要に応じて修正や改善を行う(Act)ことで、持続的な改善が実現します。KPIをモニタリングしながら、定期的にデータを分析し、成果を評価することで、マーケティング戦略の効果を最大化するための最適なアプローチを見つけ出すことができます。
以上の3つのポイントを意識しながらKPIを設定し、戦略的なWEBマーケティングを展開することで、ビジネスの成果を最大化し、持続的な成功を収めることが可能です。
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WEBマーケティングで設定するKPIを設定する際の注意点
WEBマーケティングにおいてKPI(Key Performance Indicators)を設定する際には、慎重な計画と戦略が必要です。適切なKPIの選択と設定は、効果的なマーケティング戦略の成功に不可欠です。
以下では、KPIを設定する際の注意点を3つ紹介します。
先にKGIを設定しておく
KGI(Key Goal Indicators)を先に設定することは、KPIを選択する際の基準を決めます。
KGIはビジネスの中核目標を表し、成功の尺度となる指標です。
例えば、WEBマーケティングにおいては、お問合せ数やWEBサイト流入からの商談がKGIとなるでしょう。売り上げや成約に関しては事業全体のKGIとなるケースが多いですが、WEBマーケティングにおいて、WEBを活用した施策でどこまでの目標が達成できるかを考慮した上でKGIの設定を行いましょう。
無理にWEBマーケティングを行うことで売り上げを増やすことだけに期待していると、事業としての投資判断や中長期的な事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
自社の市場的なポジションや状況に応じて適切なKGIを設定し、どのKPIがビジネスの主要な成果に寄与するかを明確に把握することをおすすめします。
特定のKPIにこだわりすぎない
KPIの設定において、特定のKPIにこだわりすぎないように注意が必要です。ひとつのKPIだけにフォーカスすると、他の重要な要素が見落とされる可能性があります。
例えば、売上を追求する一方で顧客満足度が低下する可能性があります。複数のKPIをバランス良く設定し、ビジネス全体の健全な成長をサポートするようなアプローチを取ることが大切です。
短期的な施策・長期的な施策でわける
KPIの設定において、短期的な施策と長期的な施策を適切に分けることが重要です。短期的な施策は、即効性があり、すぐに結果が現れることが期待されるものです。
一方、長期的な施策は持続的な成果を追求し、ブランド価値や顧客ロイヤルティの向上を目指すものです。
短期的な成果だけでなく、長期的な視点でビジネスを展望するために、それぞれに適したKPIを設定しましょう。
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WEBマーケティングのKPIの改善のステップ
WEBマーケティングのKPIを改善するプロセスは、効果的な戦略を展開しビジネス成果を最大化する重要な一環です。
KPI改善のステップでは、現状の評価と目標の再評価を通じて戦略の方向性を確認し、適切なKPIを選定・設定します。
次に、具体的な改善策を見つけるためにデータを分析し、実施して効果をテストします。継続的なデータモニタリングと最適化を通じて、ビジネスの成果を向上させていきます。より具体的なKPIの改善ステップについては、以下の記事で詳しくご確認いただけます。
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WEBマーケティングにおけるKPIとその改善の達成には、適切な戦略の構築とKPIの設定が不可欠です。KPIを最大限に活用するためには、目標の明確化、ターゲットユーザーの特定、過去のデータ分析が重要です。
これにより、効果的なKPIの設定や改善策の特定が容易になります。
CODE Marketing Cloudは、このようなWEBマーケティング戦略の最適化に役立つソリューションです。直感的な操作インターフェースを提供し、専門的な知識がなくてもKPIの設定と改善が可能です。業界に合わせた最適なKPIテンプレートも提供され、効果的な戦略の展開がスムーズに行えます。
さらに、CODE Marketing Cloudは、ユーザーのWeb行動を詳細に分析し、高度な改善策を実現する機能も備えています。ユーザーのデータをもとに、最適な施策や改善を適切なタイミングで実施できます。また、過去のユーザーデータとも連携可能であり、過去のデータを活用してKPIの改善を行うこともできます。
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