プログラミング知識ゼロでも導入できる!ノーコードチャットボットの選び方と活用術

顧客対応の効率化や社内業務の改善は、多くの企業が直面する重要な課題です。その解決策として期待されているチャットボットですが、「プログラミングができる人材がいない」「開発費用が高額」といった理由から、導入を見送っている企業も少なくありません。

しかし現在では、プログラミングの知識がまったくなくても、誰でも簡単にチャットボットを構築できる「ノーコード」のツールが登場しています。Excelを使える程度のスキルさえあれば、数週間という短期間で本格的なチャットボットの運用を開始できる時代になりました。

本記事では、ノーコードチャットボットがなぜ注目されているのか、どのような種類があるのか、そして自社の目的に合ったツールをどう選べばいいのかを詳しく解説します。導入を検討している企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ノーコードチャットボットが注目される理由とメリット

従来のチャットボット開発には、専門的なプログラミングスキルを持つエンジニアの確保や、数百万円に及ぶ開発費用が必要でした。しかし、ノーコードチャットボットの登場により、この状況は大きく変化しています。

IT部門に頼らずとも、現場の担当者が直接チャットボットを作成・運用できるようになったことで、多くの企業が導入のハードルの低さを実感しています。

専門知識なしで運用できる手軽さ

ノーコードチャットボットの最大の魅力は、プログラミングの知識が一切不要という点にあります。従来のチャットボット開発では、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語の習得が必須でした。しかし、ノーコードツールなら、画面上で用意されたパーツを組み合わせたり、Excelに質問と回答を入力したりするだけで、本格的なチャットボットを構築できます。

実際の操作も非常にシンプルです。多くのツールでは、マウスでのドラッグ&ドロップ操作や、テンプレートへの入力だけで設定が完了します。さらに、運用開始後のメンテナンスも簡単です。新しい質問への対応や回答内容の修正が必要になった場合も、Excelファイルを編集するような感覚で対応できます。外部のエンジニアに依頼する必要がないため、迅速な対応が可能となります。

導入コストと期間を大幅に削減

ノーコードチャットボットは、導入にかかるコストと期間の両面で大きなメリットをもたらします。従来型のチャットボット開発では、要件定義から設計、開発、テストまでに3~6カ月程度の期間が必要でした。開発費用も、規模によっては数百万円から1,000万円を超えることも珍しくありません。

一方、ノーコードツールを使用した場合、導入期間は数週間から1カ月程度に短縮されます。実際に、ある企業では質問と回答のデータベースを準備してから、わずか2週間でチャットボットの運用を開始した事例もあります。コスト面でも、多くのノーコードチャットボットは月額数万円から利用でき、初期費用が不要なサービスも増えています。開発にエンジニアを雇用する必要がないため、人件費の削減にもつながります。

社内リソースを有効活用できる

ノーコードチャットボットの導入により、社内の人的リソースを本来の業務に集中させることができます。カスタマーサポート部門では、定型的な問い合わせの大部分をチャットボットが自動対応することで、スタッフはより複雑な問題解決や顧客との関係構築に時間を割けるようになります。

社内ヘルプデスクでも同様の効果が期待できます。「有給休暇の申請方法は?」「経費精算の締め切りはいつ?」といった頻繁に寄せられる質問をチャットボットが24時間365日対応することで、管理部門の負担が大幅に軽減されます。また、蓄積されたデータの活用も重要なポイントです。チャットボットに寄せられた質問内容や頻度を分析することで、顧客のニーズや社内の課題を可視化でき、サービスの改善や業務プロセスの見直しにつなげることができます。

ノーコードチャットボットの種類と特徴

ノーコードチャットボットといっても、その種類や機能はさまざまです。自社の目的に合ったツールを選ぶためには、まず基本的な種類と特徴を理解することが重要です。

ここでは、チャットボットの動作方式による分類と、構築方法の違い、そして初期投資を抑えたい企業に向けた無料プランの活用方法について解説します。

シナリオ型とAI型の違いと使い分け

チャットボットは大きく分けて「シナリオ型」と「AI型」の2種類に分類されます。シナリオ型は、あらかじめ設定したルールやフローチャートに基づいて動作するタイプです。「Aという質問にはBと答える」といった明確なルールを設定し、選択肢を提示しながら会話を進めていきます。回答の正確性が高く、誤った情報を提供するリスクが低いため、重要な手続きや規定に関する問い合わせ対応に適しています。

AI型は、機械学習により自然な会話を実現するタイプです。大量のデータを学習させることで、ユーザーの意図を理解し、文脈に応じた回答を生成します。表現の揺らぎにも対応でき、「有給を取りたい」「休暇申請の方法は?」といった異なる表現でも同じ回答を提供できます。費用面では、シナリオ型のほうが安価で月額1万円程度から、AI型は月額5万円以上のサービスが多い傾向があります。

Excel・ドラッグ&ドロップで作れる

ノーコードチャットボットの構築方法は、主に「Excel入力型」と「ビジュアルエディタ型」の2つに分けられます。Excel入力型は、使い慣れたExcelのフォーマットに質問と回答を入力していく方式です。多くの企業では、すでにFAQデータをExcelで管理していることが多いため、既存のデータをそのまま活用できるメリットがあります。

ビジュアルエディタ型は、画面上でフローチャートを作成するように、ドラッグ&ドロップで会話の流れを設計する方式です。視覚的に会話の分岐を確認できるため、複雑なシナリオも構築しやすいという特徴があります。どちらの方式も、テンプレートやサンプルが豊富に用意されているツールが多く、ゼロから作成する必要はありません。業界別のテンプレートを活用すれば、導入期間をさらに短縮できるでしょう。

無料プランから始められるツール

初めてチャットボットを導入する企業にとって、いきなり有料プランを契約することは大きな決断です。そこで注目したいのが、無料プランや無料トライアルを提供しているツールです。

多くのノーコードチャットボットツールでは、機能制限付きの無料プランを用意しています。月間の応答回数に上限があったり、設置できるチャットボットの数が限定されていたりしますが、基本的な機能は利用可能です。まずは無料プランで効果を検証し、成果が確認できてから有料プランに移行するという段階的なアプローチが可能です。

無料トライアル期間を設けているツールも多く、14日間から30日間程度、すべての機能を無料で試せます。ただし、商用利用が制限されている場合や、データの保存期間が短い場合があるため、利用規約を必ず確認しましょう。

用途別に選ぶ最適なチャットボット

チャットボットの活用シーンは多岐にわたり、それぞれの用途に応じて求められる機能や特徴が異なります。自社の課題や目的を明確にし、それに適したツールを選ぶことが導入成功の鍵となります。

ここでは、主要な3つの活用シーンについて、それぞれに適したチャットボットの特徴と選び方を解説します。

社内ヘルプデスク・FAQ対応向け

社内からの問い合わせ対応は、管理部門にとって大きな負担となっています。特に従業員数が多い企業では、人事・総務・情報システム部門への問い合わせが日々数十件に及ぶこともあります。これらの問い合わせの多くは定型的な内容であり、チャットボットによる自動化に最適です。

社内ヘルプデスク向けのチャットボットを選ぶ際は、まず既存の社内システムとの連携性を重視しましょう。勤怠管理システムや経費精算システムと連携できれば、「今月の残業時間は?」といった個人情報を含む問い合わせにも対応できます。また、SlackやMicrosoft Teamsなど、社内で利用しているコミュニケーションツールと連携できることも重要です。

セキュリティ面での配慮も欠かせません。社内の機密情報を扱うため、データの暗号化やアクセス権限の管理機能が充実しているツールを選ぶ必要があります。実際の導入事例では、管理部門への問い合わせが80%削減されたという成果が報告されています。

カスタマーサポート・Web接客向け

顧客からの問い合わせ対応や、Webサイト上での接客にチャットボットを活用する企業が増えています。24時間365日対応できることで、営業時間外の機会損失を防ぎ、顧客満足度の向上にもつながります。

カスタマーサポート向けのチャットボットでは、回答の精度と自然な会話の実現が重要です。顧客は企業の代表として接することになるため、不適切な回答や不自然な会話は企業イメージを損なう可能性があります。AI型のチャットボットなら、文脈を理解した自然な応対が可能ですが、重要な情報については正確性を重視してシナリオ型を選ぶという選択もあります。

Web接客においては、ユーザーの行動に応じた能動的なアプローチが効果的です。商品ページに一定時間滞在しているユーザーに対して「何かお探しですか?」と話しかける機能や、カート離脱を防ぐためのフォロー機能などが重要になります。

営業支援・マーケティング向け

営業活動やマーケティング施策においても、チャットボットは強力なツールとなります。リード獲得から育成、商談のアポイント設定まで、さまざまな場面で活用できます。

営業支援向けのチャットボットでは、CRMやMAツールとの連携が不可欠です。チャットボットで収集した顧客情報や行動履歴を、既存の営業管理システムに自動的に反映できれば、営業担当者は最新の情報をもとに効果的なアプローチが可能になります。資料請求やセミナー申し込みなどのフォーム入力をチャット形式で行うことで、コンバージョン率の向上も期待できます。

マーケティング用途では、ユーザーの属性や行動に応じたパーソナライズされた対応が重要です。初回訪問者と既存顧客で異なるメッセージを表示したり、閲覧履歴に基づいて関連商品を提案したりする機能があると効果的です。実際に、ある企業ではチャットボットの導入により、問い合わせ数が3倍に増加した事例があります。

導入前に確認すべき選定ポイント

ノーコードチャットボットは導入が簡単とはいえ、事前の準備と適切な選定が成功の鍵を握ります。ここでは、導入前に必ず確認すべき重要なポイントについて解説します。

これらの点を事前に検討することで、導入後の失敗を防ぎ、期待どおりの効果を得ることができるでしょう。

AI型とシナリオ型の違いを理解する

チャットボットの選定においてもっとも重要なのは、AI型とシナリオ型の違いを正しく理解し、自社の目的に合ったタイプを選ぶことです。この選択を誤ると、期待した効果が得られないだけでなく、かえって業務の負担が増える可能性もあります。

シナリオ型は、決められたルールに従って動作するため、回答の正確性と一貫性が保証されます。社内規定や手続きなど、正確な情報提供が求められる場面では、シナリオ型が適しています。また、導入コストが比較的安く、設定も簡単なため、初めてチャットボットを導入する企業にもおすすめです。

AI型は、自然言語処理により柔軟な対応が可能です。「商品の返品について教えて」「返品したいんだけど」といった異なる表現でも、同じ意図として理解し適切な回答を提供できます。しかし、学習データの質と量によって精度が左右されるため、導入初期は期待どおりの回答ができない場合もあります。

サポート体制と連携機能をチェック

ノーコードとはいえ、導入時や運用中にはさまざまな課題が発生する可能性があります。そのため、ベンダーのサポート体制は重要な選定基準となります。

まず確認すべきは、導入支援の内容です。初期設定のサポートはもちろん、シナリオ設計のアドバイスや、効果的な運用方法の提案など、コンサルティング的なサポートを受けられるかどうかを確認しましょう。特に初めての導入では、経験豊富な担当者からのアドバイスが成功の鍵となります。

連携機能については、現在利用している業務システムとの互換性を必ず確認しましょう。CRM、MA、勤怠管理システムなど、主要なシステムとAPI連携できることで、チャットボットの活用範囲が大きく広がります。将来的なシステム拡張を見据えて、連携可能なサービスの種類も確認しておくとよいでしょう。

運用体制とPDCAサイクルの準備

チャットボットの導入成功には、適切な運用体制の構築が不可欠です。「導入したら終わり」ではなく、継続的な改善を行うことで、真の効果を発揮します。

まず、チャットボットの運用担当者を明確に決めましょう。担当者は、日々の運用状況をモニタリングし、問題があれば迅速に対応する役割を担います。専任である必要はありませんが、定期的にチェックする時間を確保できる人材を選ぶことが重要です。多くの企業では、1日15~30分程度の作業時間で十分な運用ができています。

PDCAサイクルの実施も重要なポイントです。チャットボットの利用状況データを定期的に分析し、改善点を見つけ出します。「回答できなかった質問」のログを確認し、新たなシナリオを追加したり、回答内容を改善したりすることで、回答率を向上させることができます。月次でのレビュー会議を設定し、関係部門で改善点を議論することも効果的です。

まとめ:自社に最適なノーコードチャットボットを選ぶために

ノーコードチャットボットは、プログラミング知識がない企業でも手軽に導入できる強力なツールです。専門知識不要で運用でき、導入コストも大幅に削減できることから、中小企業から大企業まで幅広く活用されています。

成功のポイントは、自社の目的を明確にし、それに適したタイプのチャットボットを選ぶことです。社内FAQ対応ならセキュリティとシステム連携を重視し、顧客対応なら回答精度と自然な会話を優先するなど、用途に応じた選定が重要となります。また、導入後も継続的な改善を行い、PDCAサイクルを回すことで、より高い効果を得ることができるでしょう。

多くの企業がノーコードチャットボットをマーケティング施策に活用し始めています。特に注目されているのが、LINEと連携したマーケティング活動です。日本国内で9,800万人以上が利用するLINEを活用することで、顧客との距離を縮め、セグメント配信や自動応答、キャンペーン実施など、従来のWebサイトだけでは実現できなかった高度な施策が可能になります。

まずは無料プランやトライアルを活用し、実際に使用感を確かめることから始めてみてはいかがでしょうか。本記事で紹介した選定ポイントを参考に、自社に最適なノーコードチャットボットを見つけ、業務効率化の第一歩を踏み出してください。さらに、顧客とのコミュニケーション強化を目指している企業は、LINEマーケティングツールを活用してみてはいかがでしょうか。友だち登録から購買促進、リピート率向上まで、一貫した顧客体験を提供することで、ビジネスの成長につなげることができるはずです。

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