AIチャットボットとは?導入メリット・デメリットやおすすめ5選まで徹底解説

近年、AIチャットボットの導入が多くの企業で進んでいます。

人工知能を活用し、24時間体制で問い合わせに対応できるこの技術は、カスタマーサポートの効率化や顧客満足度の向上に貢献しています。

一方で、導入コストや対応範囲の限界といった課題も見逃せません。

本記事では、AIチャットボットの基本からメリット・デメリット、さらにおすすめのサービス5選まで詳しく解説します。

企業の業務効率化やサービス改善を目指す方やAIチャットボットの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

AIチャットボットとは?

AIチャットボットは、人工知能を活用して24時間自動で会話に応答するシステムです。

ユーザーの質問や要望に対して、あらかじめ設定された応答パターンや、AIによる自然言語処理を用いて適切な返答を行ってくれるのが特徴です。

例えば、国税庁では「ふたば」というAIチャットボットを導入しています。

確定申告の手続きや税に関する一般的な質問に、24時間体制で回答してくれます。土日や夜間でも利用でき、基本的な税務相談がいつでも可能です。

AIチャットボットには、主に定型対応型と生成AI型の2つのタイプがあります。

定型対応型は、あらかじめ設定された質問と回答のパターンで対応します。よくある質問への迅速な対応が得意で、正確な情報提供が可能です。

一方、生成AI型は自然言語処理による柔軟な対話が可能で、文脈を理解した会話ができるのが特徴です。

最近では、この2つを組み合わせたハイブリッド型も増えています。

定型的な質問には迅速に対応しつつ、複雑な質問には生成AIで柔軟に応答することで、より質の高いサービスを実現しています。

AIチャットボットは、以下のような場面で活用されています。

問い合わせ窓口製品やサービスに関する質問対応
採用業務よくある質問への自動応答や書類選考状況の確認
社内ヘルプデスクITサポートや各種申請手続きのガイド
ECサイト商品の在庫確認や配送状況の案内
飲食店予約受付や空席状況の確認
金融機関口座開設手続きや取引履歴の照会

AIチャットボットは私たちの生活に徐々に浸透してきています。

国税庁の「ふたば」のような行政サービスから、民間企業のカスタマーサポートまで、その活用範囲は今後さらに拡大していくでしょう。

AIチャットボット導入のメリット

AIチャットボットの導入は、企業の業務効率化とカスタマーサービスの向上に大きく貢献しています。

具体的なメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 24時間対応ができる
  • コスト削減できる

それぞれ詳しく確認していきましょう。

24時間対応ができる

AIチャットボットを導入すれば、休日や夜間であってもお客様からの問い合わせに即座に対応できます。

これにより、以下のような効果が期待できます。

  • 海外からの問い合わせにもタイムラグなく対応
  • 夜間の緊急トラブルにも初期対応が可能
  • 繁忙期の問い合わせ急増にも安定した対応力を維持
  • 顧客満足度の向上につながる迅速な初期対応を実現

実際に、多くのコールセンターでは、AIチャットボットの導入により、定型的な問い合わせ対応の自動化が進み、運営コストの削減につながっています。

コスト削減できる

AIチャットボットの導入は、長期的な視点で見るとコスト削減効果をもたらします。

人件費の削減だけではなく、業務効率化による生産性の向上も期待できます。

サポート担当者は定型的な質問への対応から解放され、より複雑で専門的な業務に注力できるようになるでしょう。

AIチャットボット導入によるコスト削減効果には、以下のようなものが挙げられます。

人件費夜間休日対応の人員
研修費用新人教育・マニュアル作成費用
応対時間1件あたりの対応時間
問い合わせ数FAQ自動化により電話対応

AIチャットボットの導入は、企業の業務効率化とコスト削減に貢献します。

特に、問い合わせ数の多い企業や24時間対応が求められる業種では、その効果がより顕著に表れるでしょう。

AIチャットボット導入によるデメリット

AIチャットボットには多くのメリットがありますが、導入を検討する際は課題やデメリットについても理解しておく必要があります。

主なデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 複雑な質問に対応しきれない場合がある
  • 初期導入コストがかかる

それぞれ確認していきましょう。

複雑な質問に対応しきれない場合がある

AIチャットボットは、あらかじめ想定された質問や定型的な問い合わせに迅速に対応できます。

しかし、以下のような場面では対応が難しい場合があります。

  • 複数の要因が絡み合った相談
  • 感情的なクレーム対応
  • 状況に応じた臨機応変な判断
  • 専門的な技術相談
  • 例外的なケースへの対応

そのため、重要度の高い案件や複雑な内容については、AIチャットボットと人による対応を適切に組み合わせる必要があります。

初期導入コストがかかる

AIチャットボットの導入には、システムの構築や運用に関する初期コストが発生します。

具体的には以下のような項目が必要になります。

  • チャットボットの開発または導入費用
  • 既存システムとの連携作業
  • 応答パターンの設定や学習データの準備
  • 運用担当者の教育・研修
  • システムの保守・メンテナンス

特に小規模企業にとって、この初期投資は大きな負担となる可能性があります。

ただし、月額制のサービスも増えていて、初期費用を抑えた導入方法も選択できるようになっています。

おすすめAIチャットボット5選

AIチャットの導入をしたくても、たくさんありすぎて分からないと考える方も少なくないでしょう。

ここではAIチャットボットのおすすめサービスを5つ紹介します。

  • Zendesk|自動ルーティングと優先順位付けで効率化
  • チャットプラス|用途に合わせてチャットボットを選択
  • KARAKURI chatbot|生成AIと定型AIのハイブリッドチャットボット
  • Service Cloud|カスタマーサービスに特化
  • hachidori|チャットUXを最大化

それぞれのサービス内容を確認していきましょう。

Zendesk|自動ルーティングと優先順位付けで効率化

Zendeskは、世界10万社が導入する実績を持つカスタマーサポートツールです。

海外の大手レビューサイトでベストソフトウェアに選ばれていて、信頼性の高さが特徴です。

Zendeskの概要をまとめると、以下のとおりです。

運営会社Zendesk社
主な特徴数十億件の実データを活用した高精度な応答自動ルーティングによる効率的な振り分けマルチチャネル対応(Web/メール/Slack等)
主な機能AIチャットボット機能チケット管理システム対話履歴の一元管理優先順位の自動付与
料金プランSuite Team:月額8,000円/ID~
導入に適した企業複数チャネルでの問い合わせ対応が必要な企業チームでのサポート体制を構築したい企業グローバル展開を視野に入れている企業

最大の強みは、数十億件にも及ぶ実際のカスタマーサービスデータを活用した高精度な応答システムです。

ビッグデータの活用により、企業側の事前準備の負担を最小限に抑えながら、質の高い自動応答を実現できるでしょう。

特に便利なのが、問い合わせを自動でチケット化し、優先順位付けする機能です。

担当者が手動で振り分ける手間を大幅に削減でき、対話履歴とともにスムーズな引き継ぎが可能なため、チーム全体でのサポート品質を維持しやすくなるでしょう。

Zendeskの公式サイト

チャットプラス|用途に合わせてチャットボットを選択

チャットプラスは、20,000社以上の導入実績を持つ、生成AI対応のチャットボット・サポートシステムです。

最大の特徴は、企業のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能な点です。

生成AI型や従来型AI、シナリオ型など、目的に応じて最適なチャットボットを選択でき、有人・無人・ハイブリッドなど、運用方法も細かく設定できます。

チャットプラスの概要をまとめると、以下のとおりです。

運営会社チャットプラス株式会社
主な特徴生成AI型/AI型/シナリオ型から選択可能有人/無人/ハイブリッド対応に対応直感的なユーザーインターフェース
主な機能チャットボット設置機能Q&A/検索ワード生成機能オペレーター向けQ&A予測表示顧客誘導最適化機能
料金プランビジネスライト:月額10,800円/2ID~初期費用:なしカスタムプラン:要問合せ
導入に適した企業柔軟な運用形態を検討している企業簡単な導入・運用を重視する企業段階的な自動化を目指す企業

直感的なインターフェースにより、技術的な知識がなくても簡単にチャットボットを設置・運用できます。

Q&Aや検索ワードの自動生成機能により、初期設定の手間も削減できるでしょう。

さらに、オペレーターをサポートするQ&A予測表示機能により、人による対応の質も向上します。

顧客とのやり取りを分析し、最適なサービスやソリューションへの誘導も可能です。

チャットプラスの公式サイト

KARAKURI chatbot|生成AIと定型AIのハイブリッドチャットボット

カスタマーサポートに特化した「KARAKURI chatbot」は、生成AIと定型AIを組み合わせたハイブリッド型のチャットボットです。

高精度なAI機能により顧客の自己解決を促進しながら、対応品質を維持したまま業務効率化を実現できるのが特徴です。

特に、AIが間違えやすい質問と回答を自動で抽出・整理できる機能は、継続的な品質向上に役立ちます。

KARAKURI chatbotの概要をまとめると、以下のとおりです。

運営会社カラクリ株式会社
主な特徴生成AIと定型AIのハイブリッド方式ノーコードでの回答作成AIの改善トレーニング機能シンプルな運用画面
主な機能高精度AIチャットボット機能質問・回答の自動抽出/整理各種CRMツールとの連携トレーニング機能
連携可能ツールKARTEKARAKURI smartFAQ(FAQ一元化)KARAKURI talk(有人チャット)KARAKURI hello(Web接客)
料金プラン要問合せ
導入に適した企業カスタマーサポートの効率化を目指す企業高品質な自動応答を重視する企業CRMツールとの連携を検討している企業

KARAKURI chatbotが提供する他のツールとの連携も魅力的です。

FAQ管理や有人チャット、Web接客など、複数のツールを組み合わせることで、より包括的なカスタマーサポート体制を構築できるでしょう。

SalesforceやZendeskなど主要なCRMツールとの連携にも対応していて、既存のシステムとスムーズに統合できます。

初心者でも扱いやすいシンプルな管理画面で、継続的な改善と運用が可能です。

KARAKURI chatbotの公式サイト

Service Cloud|カスタマーサービスに特化

世界的なCRMプラットフォームを展開するSalesforce社が提供する「Service Cloud」は、カスタマーサービスに特化したAIチャットボットです。

最大の特徴は、CRMとの連携による高度なパーソナライズ機能です。

顧客の属性や過去の行動履歴を分析し、一人ひとりに最適化された対話を実現してくれるでしょう。

Service Cloudの概要をまとめると、以下のとおりです。

運営会社Salesforce社
主な特徴CRMと連携したパーソナライズ対応リアルタイムの問い合わせ分析マルチチャネル対応(Web/SNS)必要に応じた担当部署への引き継ぎ
主な機能AIチャットボット機能顧客データ分析・活用自動応答最適化部署間連携システム
連携可能ツールSalesforce CRM(標準搭載)各種SNSプラットフォームWebサイト
料金プランEnterprise:月額18,000円/IDその他プラン:要問合せ
導入に適した企業Salesforce製品を利用中の企業顧客対応の個別最適化を目指す企業複数チャネルでの対応が必要な企業

WebサイトやSNSなど、複数のチャネルに対応できる点も特徴です。

顧客がどのチャネルから問い合わせても、一貫した品質の対応が可能です。

AIが顧客の意図を正確に理解し、最適な回答を提供してくれます。

必要に応じて適切な担当部署へスムーズに引き継ぐことができ、顧客満足度の向上に貢献します。

特にSalesforce製品を既に導入している企業にとっては、システム統合の観点から最適な選択肢となるでしょう。

hachidori|チャットUXを最大化

LINEを活用したリードナーチャリングに特化した「hachidori」は、チャット体験の最適化を実現する多機能ツールです。

会話データの蓄積・分析を基盤に、ユーザーの興味やニーズに応じた個別対応が可能で、購入意欲の向上から購買行動までを効果的にサポートしてくれます。

hachidoriの概要をまとめると、以下のとおりです。

運営会社株式会社エフ・コード
主な特徴LINE公式アカウントの高度活用チャットデータを活用した顧客分析柔軟なAPI連携高精度なターゲティング機能
主な機能LINE通知メッセージポップアップ型WEB接客チャット型WEB接客対話データベース化セグメント配信デジタル広告連携
料金プラン要問合せ
導入に適した企業LINE公式アカウントを効果的に運用したい企業顧客管理や接客の効率化を目指す中小企業リードナーチャリングを強化したい企業

特筆すべきは、LINE通知メッセージやセグメント配信を活用した精密なアプローチが可能な点です。

ユーザーの状態に応じた情報を適切なタイミングで提供し、見込み顧客の興味を段階的に高めていけます。

ポップアップ型やチャット型のWEB接客機能により、サイト訪問者の離脱を防ぎながらLINE公式アカウントへの誘導も実現してくれるでしょう。

蓄積されたチャットデータを活用すれば、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能です。

多機能でありながら使いやすさにもこだわった設計で、LINEを活用した顧客コミュニケーションを強力にサポートしてくれます。

hachidoriの公式サイト

まとめ

AIチャットボットは、24時間365日の自動応答を実現し、企業の業務効率化とカスタマーサービスの向上に貢献するツールです。

導入時には初期コストや複雑な質問への対応といった課題もありますが、適切なツールを選択すれば、これらの課題を最小限に抑えられるでしょう。

現在では、生成AIと定型AIを組み合わせたハイブリッド型や、CRMと連携した高度なパーソナライズ機能を備えたものなど、さまざまなタイプのAIチャットボットが登場しています。

特に注目すべきは、AIチャットボットの進化により、単なる自動応答だけではなく、顧客データの分析や活用、複数チャネルでの一貫した対応など、より高度なカスタマーサービスの実現が可能になっている点です。

今後も技術の発展とともに、さらなる機能の拡充が期待されるでしょう。

AIチャットボット導入を検討する際は、自社の課題や目標を明確にし、必要な機能や予算を整理したうえで、最適なツールを選択することをおすすめします。

適切な導入と運用により、業務効率の向上と顧客満足度の向上を同時に実現できるでしょう。

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