LINE広告のターゲティング設定に悩んでいませんか?
9,700万人以上の国内月間アクティブユーザーを抱えるLINEだからこそ、適切なターゲティングが大切です。
しかし、数多くあるターゲティングオプションの中から、どの機能を選択すれば良いのか、どのように組み合わせれば効果的なのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、LINE広告のターゲティング機能の基本から、効果的な活用方法、実践的な運用のポイントまで詳しく解説します。オーディエンスセグメント配信や類似配信など、それぞれの特徴や使い分け方を具体的な事例と共にご紹介していきます。
LINE広告でより効果的な運用を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
LINE広告のターゲティングとは
LINE広告のターゲティングとは、LINE広告において適切なユーザーに広告を届けるための設定機能です。9,700万人以上の国内月間アクティブユーザーを抱えるLINEプラットフォームで、効果的な広告配信を実現する重要な要素となっています。
ターゲティングの基本的な仕組みは、広告主間のオークション方式に基づいています。広告主が設定した条件(年齢、性別、興味関心など)と入札価格を基にオークションが行われ、勝利した広告が実際に配信されます。
例えば、化粧品を販売する企業がLINE広告を出稿する場合、以下のような設定が可能です。
- ターゲット層|20代〜30代の女性
- 地域|全国の都市部
- 興味関心|美容・コスメに関心がある
- 入札価格|1クリックあたり50円
このように具体的な条件を設定すれば、商品に興味を持ちそうなユーザーに効率的にアプローチできます。
ターゲティング設定が適切でない場合、例えば化粧品の広告が50代男性に表示されてしまうなど、広告効果が著しく低下する可能性があります。そのため、自社の商品やサービスに最適なターゲティング設定を行わなければなりません。
LINE広告のターゲティングは、単なるユーザーの選別ではありません。限られた広告予算で最大の効果を得るための戦略的なツールとして、多くの企業がその重要性を認識しています。
適切なターゲティング設定により、広告費用対効果(ROAS)の向上や効率的な新規顧客獲得が期待できるでしょう。
LINE広告におけるターゲティングの重要性
LINEの最大の特徴は、その圧倒的なリーチ力です。LINEキャンパスの調査(2022年7月)では、他のSNSを利用していなくてもLINEを使っている層が多いことが確認されています。これにより、LINE広告を活用すれば、他のSNS広告では到達できないユーザー層にも効果的にアプローチできます。
高精度なターゲティング機能により、ユーザーの属性や行動履歴に基づいた細かな配信設定が可能です。LINE公式アカウントと連携したターゲティングでは、以下のような効果的なアプローチが実現できるでしょう。
- 過去の購買履歴に基づく商品レコメンド
- 地域特性を考慮したクーポン配信
- ユーザーの興味関心に合わせた情報提供
LINE広告のターゲティングは、たくさんのユーザーの中から最適なターゲットを選び、効率的なマーケティングを行うための効果的な手段です。
LINE広告のターゲティングの種類
LINE広告のターゲティングには、目的や状況に応じて選択できるさまざまな種類があります。効果的な広告配信を実現するためには、それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることが大切です。
ターゲティングの主な種類は、以下の4つです。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
- 自動ターゲティング
それぞれのターゲティング手法の特徴や具体的な活用方法を詳しく見ていきましょう。
オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信は、LINEが保有する膨大なユーザーデータを活用して、年齢・性別、地域、趣味・関心などの条件に合致したユーザーに広告を配信する機能です。
主な設定項目には、以下のようなものがあります。
- 基本的な属性(年齢、性別、地域、OS)
- 趣味・関心(ファッション、美容、食べ物など)
- 行動特性(テレビ視聴頻度、転居情報など)
- 購買意向(商品カテゴリーごとの購入意欲)
例えば、若年女性向けの化粧品を販売する場合「20代〜30代の東京在住で、コスメに関心がある女性」といった具体的な条件設定が可能です。このように商品やサービスのターゲット層に合わせた配信設定により、高いコンバージョン率が期待できます。
ただし、効果的な運用のためには注意点があります。
詳細に条件設定しすぎると、配信対象が極端に絞られ、効果が出にくくなる場合があるため注意が必要です。そのため、最初は広めの設定からスタートし、運用状況を見ながら徐々に絞り込んでいくと良いでしょう。
参照:LINEヤフー for Business「オーディエンスセグメントを利用して配信する」
オーディエンス配信
オーディエンス配信は、ユーザーのオンライン上での行動データを基に、特定のグループ(オーディエンス)を作成し、そのグループに対して広告を配信する機能です。コンバージョンの可能性が高いユーザーに効率的にアプローチできるため、高いコストパフォーマンスが期待できます。
LINE広告の管理画面では、以下のようなオーディエンスを作成できます。
Webサイトの訪問履歴や購入履歴を基にしたオーディエンス
アプリ内でのアクション履歴によるオーディエンス
LINE公式アカウントの友だち情報を活用したオーディエンス
電話番号やメールアドレスを基にしたオーディエンス
例えば、過去に商品を購入したことのあるユーザーに新商品の広告を配信したり、Webサイトを訪問したユーザーに対してリターゲティング広告を展開したりできます。
ただし、オーディエンス配信には注意点があります。配信対象となるユーザー数が限定されるため、コンバージョン数を最大化したい場合は、他のターゲティング機能と組み合わせてリーチを広げることが効果的です。
参照:LINEヤフー for Business「オーディエンスを使って配信する」
類似配信
類似配信は、既存の優良顧客(ソースオーディエンス)に似た特徴を持つユーザーを自動で見つけ出し、広告を配信する機能です。商品購入者に類似したユーザーにアプローチできるため、新規の潜在顧客開拓に効果的です。
設定方法は「自動」と「手動」の2種類があり、手動設定の場合は類似度を1%から15%の範囲で指定できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
類似度1%の場合 | ソースオーディエンスとの類似性が高い広告アクションの確度が高い配信できる母数は限定的 |
類似度15%の場合 | より広い範囲のユーザーにリーチ可能ソースオーディエンスとの類似性は比較的低いアクションの確度は若干低下 |
例えば、自社のECサイトで商品を購入したことのあるユーザーをソースオーディエンスとして設定すれば、同様の購買傾向を持つ新規ユーザーを見つけ出し、効率的な広告配信が可能になります。
広告目的に応じて類似度を調整すれば、より効果的なマーケティング活動が実現できます。認知拡大を目指す場合は類似度を高めに、確実な成果を求める場合は類似度を低めに設定するなど、柔軟な運用が可能です。
参照:LINEヤフー for Business「類似オーディエンス」
自動ターゲティング
これらの基本セグメントすら設定せずに、完全自動での配信も可能です。配信開始後、最大48時間以内に最適なオーディエンスが自動で形成され、効率的な広告配信が始まります。
例えば「クリック数の最大化」を目標に設定した場合、システムが自動的にクリックする可能性の高いユーザーを見つけ出し、そのユーザーに優先的に広告を表示します。広告運用の工数を削減できるため、特に運用リソースの限られている企業におすすめの機能です。
自動ターゲティングは、1クリックの簡易設定で始められる手軽さが特徴です。ただし、完全に自動化された配信となるため、より細かなターゲティングが必要な場合は、他のターゲティング機能と組み合わせた活用をおすすめします。
参照:LINEヤフー for Business「自動ターゲティングを利用する」
効果的なターゲティング戦略
LINE広告で高い効果を得るためには、これまで説明してきた各ターゲティング手法を適切に組み合わせたうえで戦略的な活用が大切です。
最適なターゲティング戦略を立てることで、限られた広告予算でより大きな成果を上げることができます。
効果的なターゲティング戦略を実現するためには、以下のようなポイントに注目する必要があります。
- ターゲット層の明確な定義
- 複数のターゲティング要素の組み合わせ
- 既存データの効果的な活用
- 段階的な広告配信の設計
- 結果に基づく継続的な最適化
それぞれの戦略ポイントや具体的な実践方法を見ていきましょう。自社の商品やサービスに合わせた最適なターゲティング戦略の構築にお役立てください。
ターゲット層を明確にする
効果的なLINE広告運用のためには、ターゲット層を具体的に定義しなければなりません。漠然とした設定ではなく、詳細なペルソナを設定すれば、より効果的な広告配信が可能になります。
ターゲット層を明確にする際は、以下のような要素を具体的に検討しましょう。
- 基本属性(年齢、性別、居住地域)
- 行動特性(商品の購入頻度、使用シーン)
- 興味関心(趣味、よく利用するサービス)
- 課題やニーズ(解決したい問題、求めている価値)
例えば、スキンケア商品を販売する場合「25〜35歳の女性」の基本的な属性に加えて「美容に関心が高く、定期的にスキンケア製品を購入する」「肌の悩みを抱えている」といった具体的な特徴を設定します。
ターゲット層が明確になれば、LINE広告の各種ターゲティング機能を効果的に活用できます。オーディエンスセグメント配信での詳細設定や、類似配信のソースオーディエンス設定など、より精度の高い配信が可能になるでしょう。
複数の要素を組み合わせる
LINE広告では、複数のターゲティング要素を組み合わせることで、より精度の高い配信が可能になります。単一の条件だけではなく、さまざまな要素を掛け合わせることで、最適なターゲットユーザーにリーチできます。
効果的な組み合わせ方として、以下のようなアプローチが考えられるでしょう。
- 属性×興味関心(30代女性×美容に関心がある)
- 地域×行動特性(東京都在住×スポーツジムによく通う)
- デバイス×購買傾向(iPhone使用×オンラインショッピング頻度が高い)
- 年齢×ライフイベント(25-35歳×最近転居した)
例えば、フィットネスジムの入会促進キャンペーンを行う場合「30代男女」「都心部在住」「健康・運動に関心がある」の3つの要素を組み合わせることで、入会の可能性が高いユーザーに効率的にアプローチできるでしょう。
ただし、要素を組み合わせすぎると配信対象が極端に狭まる可能性があるため注意が必要です。まずは2〜3個の要素から始めて、配信結果を見ながら徐々に最適化していくことをおすすめします。
カスタムオーディエンスを活用する
カスタムオーディエンスを活用すれば、自社が持つ顧客データを基にした精度の高いターゲティングが可能になります。既存顧客の情報やWebサイトでの行動データを活用すれば、より効果的な広告配信を実現できるでしょう。
カスタムオーディエンスの作成には、以下のようなデータを活用できます。
- 商品購入履歴のあるユーザーリスト
- メールマガジン会員のデータ
- Webサイトの訪問履歴
- LINE公式アカウントの友だちリスト
- アプリ内でのアクション履歴
例えば、過去3ヶ月以内に商品を購入した顧客リストを基にカスタムオーディエンスを作成し、新商品の告知を配信する、といった活用方法が考えられます。サイト訪問者のデータを基にしたリターゲティング広告の展開も効果的です。
ただし、カスタムオーディエンスを作成する際は、データの鮮度に注意が必要です。定期的にデータを更新し、常に最新の顧客動向を反映したターゲティングを心がけましょう。
類似オーディエンスを作成する
類似オーディエンスを活用すれば、既存の優良顧客に似た特徴を持つ新規ユーザーへ効率的にアプローチできます。特に新規顧客の獲得や、認知度の向上を目指す場合に効果的な手法です。
効果的な類似オーディエンス作成のポイントは、以下のとおりです。
- 優良顧客データの選定(購入金額や購入頻度が高い顧客)
- 最適な類似度の設定(目的に応じて1%〜15%を選択)
- 定期的なデータの更新と検証
- 複数パターンでのテスト配信
例えば、ECサイトを運営している場合「過去6ヶ月間で3回以上購入した顧客」をソースオーディエンスとして設定し、類似度5%で新規顧客の開拓を行う、といった活用方法が考えられます。
テスト配信では、類似度を変えた複数のオーディエンスを作成し、それぞれの効果を比較検証をおすすめします。データに基づいて最適な設定を見つけることで、より効率的な広告運用が可能になるでしょう。
重複オーディエンスを見直す
複数のターゲティング設定を行う際は、オーディエンス同士の重複を確認し、適切に管理する必要があります。重複率が高すぎると同じユーザーに過度に広告が表示される可能性があり、逆に効果を下げてしまうかもしれません。
LINE広告の管理画面では、以下の手順でオーディエンスの重複を確認できます。
オーディエンス一覧から確認したい対象を選択
「オーディエンスの重複を表示」をクリック
最大4つまでのオーディエンスを比較可能
例えば「サイト訪問者」「商品購入者」「LINE公式アカウントの友だち」などの3つのオーディエンスがある場合、それぞれの重複状況を確認し、より効率的な配信設計に活かすことができます。
ただし、注意点として、オーディエンスサイズが1,000未満の場合や、新規作成直後のオーディエンスは正確な重複率が表示されない場合があります。重複率の確認は、オーディエンス作成から一定期間経過後に実施すると良いでしょう。
参照:LINEヤフー for Business「オーディエンスを使って配信する」
まとめ
LINE広告のターゲティングは、効果的な広告運用を実現するために欠かせない機能です。オーディエンスセグメント配信やオーディエンス配信、類似配信、自動ターゲティングなど、目的に応じて最適な手法を選択すれば、より効率的な広告配信が可能になります。
特に重要なのは、これらのターゲティング機能を単独で使用するのではなく、目的に応じて適切に組み合わせることです。ターゲット層を明確に定義し、複数の要素を組み合わせれば、より精度の高い配信が実現できます。
カスタムオーディエンスや類似オーディエンスを活用すれば、既存顧客データを基にした効果的なアプローチも可能です。
まずは自社の商品やサービスに合わせて、基本的なターゲティング設定から始めてみましょう。配信結果を確認しながら徐々に精度を高め、オーディエンスの重複にも注意を払いながら、最適な配信設計を目指していくことをおすすめします。
継続的に改善を続ければ、より効果的なLINE広告運用を実現できるでしょう。
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