LINE Messaging APIとは?基礎知識からできること、導入手順まで徹底解説

国内の月間利用者数が9,900万人(2025年6月末時点)を超えるLINE。多くの企業が「LINE公式アカウント」を開設していますが、標準機能だけでは「顧客一人ひとりに合わせたきめ細やかな対応」や「自社システムとの連携」に限界を感じることも少なくありません。

そこで重要になるのが、「LINE Messaging API」です。

この記事では、LINE Messaging APIの仕組みや、導入することで何が可能になるのか、そして具体的な設定手順までをわかりやすく解説します。「API」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、この記事を読めば、自社のビジネスにどう活かせるかが明確になるはずです。

目次

LINE Messaging APIの基礎知識

LINE Messaging APIとは、企業が自社のシステムや外部ツールとLINEのサーバーを連携させ、ユーザーと双方向のコミュニケーションをより高度に行うための機能(インターフェース)です。

通常のLINE公式アカウント(管理画面「LINE Official Account Manager」での操作)だけでは実現できない、自由度の高いメッセージ配信や自動応答が可能になります。

なぜ「連携」や「自動応答」ができるのか

LINE Messaging APIの仕組みは、レストランの注文に例えるとわかりやすくなります。

  1. ユーザー(客)がLINEでメッセージを送る。
  2. Webhook(ウェイター)がその内容を企業のボットサーバー(厨房)に伝える。
  3. ボットサーバー(厨房)が内容を解析し、適切な返答や処理を行う。
  4. API(ウェイター)を通じて、ユーザーにメッセージや対応する機能を返す。

この一連の流れをプログラムで制御することで、会員データベースに基づいた個別メッセージの送信や、24時間365日の自動対応が可能になります。

標準機能とAPIの違い

機能LINE公式アカウント(標準)Messaging API活用
メッセージ配信全員または属性セグメント配信ユーザーの行動・会員情報に基づく1to1配信
自動応答キーワード応答のみAIチャットボット、複雑なシナリオ分岐
リッチメニュー固定表示(期間設定は可)ユーザーのアクションに応じて瞬時に切り替え(タブ化)
外部連携基本的に不可自社DB、ECサイト、予約システムと連携可能

LINE Messaging APIでできること・機能

Messaging APIを活用すると、具体的にどのような「顧客体験」を作れるのでしょうか。主な機能を解説します。

1. 柔軟なメッセージ送信(応答・プッシュ・マルチキャスト)

APIを使えば、ユーザーからのアクションに対して即座に返信する「応答メッセージ」だけでなく、任意のタイミングで特定のユーザーに送る「プッシュメッセージ」が可能です。

さらに、複数のユーザーを指定して送る「マルチキャスト」機能を使えば、「昨日A商品を購入した30代女性」といった細かいセグメントに対して、ピンポイントな情報を届けることができます。

2. リッチメニューの出し分け(動的リッチメニュー)

LINEのトーク画面下部に表示される「リッチメニュー」を、ユーザーの状態に合わせて切り替えることができます。

  • 会員登録前: 「会員登録はこちら」を表示
  • 会員登録後: 「会員証バーコード」「購入履歴」を表示

このように画面をパーソナライズすることで、利便性とコンバージョン率(CVR)を劇的に向上させます。

3. さまざまなメッセージタイプ(Flex Messageなど)

テキストや画像だけでなく、以下のようなリッチな表現が可能です。

  • カルーセル(横スクロール): 複数の商品をカタログのように見せる。
  • Flex Message: HTMLのようにレイアウトを自由に組み、レシート情報や予約完了チケットなどを美しく表示する。
  • Image Map: 1枚の画像の異なる領域をタップさせることで、異なるリンク先へ飛ばす。

また、Flex Messageの場合、LINE公式から簡単に作成できるシミュレーターも展開されており、テンプレートも豊富なためコードが書けないという場合でも安心です。

参照元:LINE Business ID

4. ユーザー情報の取得と連携

ユーザーのLINE上の表示名やステータスメッセージを取得できるほか、「ID連携」を行うことで、自社の顧客データベース(CRM)とLINEユーザーIDを紐付けることができます。

これにより、「ECサイトでの購入通知をLINEで送る」「ポイント残高をLINEで確認する」といったシームレスな体験を提供できます。

【目的別】ビジネスでの活用シーン7選

Messaging APIは、具体的にどのような業務課題を解決するのでしょうか。代表的な活用シーンを7つ紹介します。

1. カスタマーサポートの自動化(チャットボット)

「営業時間外の問い合わせに対応したい」「よくある質問を減らしたい」という課題に対し、AIやシナリオボットが24時間体制で自動回答します。有人対応が必要な場合のみスタッフに切り替える「ハイブリッド運用」も可能です。

2. 1to1マーケティング(MA/CRM連携)

「カゴ落ち配信(買い忘れ通知)」や「特定商品の購入者へのステップ配信」など、ユーザーの行動履歴に基づいたメッセージを自動送信し、LTV(顧客生涯価値)を最大化します。

3. 予約・注文の自動受付

飲食店や美容室などで、LINE上で空き状況の確認から予約完了までを完結させます。外部の予約システムと連携することで、ダブルブッキングも防げます。

4. 会員証のデジタル化

プラスチックのカードを廃止し、LINE上に会員証バーコードを表示させます。ユーザーはカードを持ち歩く手間がなくなり、企業は発行コストを削減できます。

5. 社内業務の効率化

顧客向けだけでなく、社内連絡網や日報提出、勤怠管理などをLINE(またはLINE WORKS)のAPI連携で行うことで、バックオフィス業務を効率化します。

6. イベントやキャンペーンでの活用

ビーコン(Beacon)機能と連携し、店舗に来店した瞬間にクーポンを送る、あるいはレシート画像を送信してキャンペーンに応募する(OCR機能との連携)など、オフラインとオンラインを繋ぐ施策が可能です。

7. 定期的なリマインダー通知

予約日の前日確認や、サプリメントなどの定期購入品の次回配送通知などを自動化し、ユーザーのうっかり忘れ(キャンセル)を防止します。

LINE Messaging APIの使い方(チャネル作成手順)

ここからは、実際にMessaging APIを利用するための初期設定(チャネル作成)の手順を解説します。 Messaging APIのチャネルは、LINE公式アカウントの管理画面から設定を開始することで自動的に作成されます。

手順は大きく分けて以下の3ステップです。

  1. LINE公式アカウントを作成する
  2. LINE公式アカウント管理画面でAPIを有効化する (※この操作でチャネルが自動作成されます)
  3. LINE Developersコンソールで接続設定を行う

1. LINE公式アカウントを作成する

Messaging APIを利用するには、まず土台となる「LINE公式アカウント」が必要です。まだお持ちでない場合は作成しましょう。

(1) LINEビジネスIDに登録する LINE公式アカウントの開設ページから、「アカウントの開設」に進みます。個人のLINEアカウント、またはメールアドレスを使って「LINEビジネスID」を登録します。

2. LINE公式アカウントでMessaging APIを有効にする

次に、作成したアカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)でAPI機能を有効化します。この操作を行うことで、裏側でMessaging APIチャネルが自動的に生成されます。

手順1:設定画面から「Messaging API」を選択

参照元:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) Messaging APIマニュアル|LINEヤフー for Business

LINE Official Account Managerにログインし、画面右上の「設定」ボタンをクリックします。左メニューにある「Messaging API」を選択してください。

手順2:「Messaging APIを利用する」をクリック

画面に表示される「Messaging APIを利用する」という黒いボタンをクリックします。

手順3:プロバイダーを作成または選択

プロバイダー(サービスを提供する運営者・企業名)の選択画面が表示されます。

  • 新規の場合: 自社名などを入力して「同意する」をクリックします。
  • 既存の場合: リストから適切なプロバイダーを選択します。

【重要】プロバイダー設定の注意点 一度チャネルに紐付けたプロバイダーは、後から変更することができません。テスト用ではなく、本番運用を見据えた適切な名前を設定してください。

手順4:プライバシーポリシー・利用規約の入力(任意) 

参照元:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) Messaging APIマニュアル|LINEヤフー for Business

必要に応じてURLを入力し、「OK」をクリックします。これでMessaging APIが有効化されました。

3. LINE Developersコンソールで設定を行う

チャネルの作成は完了しましたが、実際にツールと連携させるための「鍵(アクセストークン)」などは、開発者専用の管理画面で確認する必要があります。

手順1:LINE Developersコンソールへ移動

LINE Official Account ManagerのMessaging API設定画面にあるリンク(Line Developers)、または直接「LINE Developers」にアクセスしてログインします。

手順2:自動作成されたチャネルを選択するコンソールを開く

自動作成されたチャネルが表示されていますので、それをクリックします。

手順3: 必要な情報の取得と設定 

「Messaging API設定」タブを開き、以下の作業を行います。

  • チャネルアクセストークンの発行: ボットを動かすための認証キーを発行します。
  • Webhook URLの設定: メッセージの送受信を行うためのURL(ツール側から指定されたもの)を入力し、利用をオンにします。

以上で、Messaging APIを利用するための「器」の準備は完了です。あとは、取得したキー情報を使って自社システムや外部ツールと連携設定を行ってください。

LINE Messaging APIの料金プラン

「APIを使うと別料金がかかるの?」と疑問に思う方も多いですが、Messaging APIの利用自体は無料です。

かかる費用は、LINE公式アカウントの「メッセージ通数」に応じたプラン料金のみです。

プラン名月額固定費無料メッセージ通数(月)追加メッセージ料金
コミュニケーション無料月200通まで不可
ライト5,000円月5,000通まで不可
スタンダード15,000円月30,000通まで1通〜3円(従量課金)

※上記は日本の料金表であり、料金は税別です)

※APIを使ったプッシュメッセージ・マルチキャスト・ブロードキャスト・ナローキャストは課金対象ですが、ユーザーからのメッセージに対する「応答メッセージ(自動応答)」は通数にカウントされず、無料で送れます。

導入のメリット・デメリットと解決策

最後に、Messaging API導入のメリットと、注意すべきデメリット(課題)を整理します。

メリット

  • 圧倒的なユーザー数へのリーチ: メルマガの開封率が低下する中、LINEは高い到達率と即時性を誇ります。
  • UX(ユーザー体験)の向上: アプリをDLさせなくても、LINE上でアプリ並みの機能を提供できます。
  • 業務効率化: 自動化により、人件費削減と対応スピード向上を両立できます。

デメリット(導入の壁)

  • 開発の専門知識が必要: APIを活用するには、サーバーの構築やプログラミング(Python, Node.js, PHPなど)の知識が不可欠です。
  • 開発・保守コスト: 自社で開発する場合、エンジニアの人件費やサーバー維持費がかかります。
  • 審査と規約: LINEプラットフォームのポリシーを遵守し、適切な運用を行う必要があります。

「開発」の壁を越えるには?

「APIの機能は使いたいが、社内にエンジニアがいない」「開発に時間やコストをかけられない」

そのような企業様におすすめなのが、LINE認定パートナーが提供する「拡張ツール」の導入です。

プログラミング不要でAPIを最大活用する「hachidori」

hachidoriは、Messaging APIの高度な機能を、プログラミング不要(ノーコード)で誰でも簡単に扱えるようにしたチャットボットツールです。

  • 開発不要: 管理画面からシナリオやリッチメニューを直感的に作成可能。
  • マーケティング機能が充実: セグメント配信、スコアリング、ステップ配信など、売上アップに必要な機能が標準搭載。
  • 安心の伴走サポート: LINEの仕様変更への対応や、効果的なシナリオ設計まで、専任チームがサポートします。

「Messaging APIを使ってLINEの成果を最大化したいけれど、技術的なハードルが高い」とお悩みの際は、ぜひhachidoriにご相談ください。貴社の課題に合わせた最適な活用方法をご提案します。

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