LINE APIとは?連携機能の仕組みやメリット、基本的な使い方を徹底解説

LINEは、日本で最も人気のあるメッセージングアプリの1つですが、ただのチャットツールではありません。なぜならLINEは、さまざまなサービスやアプリと連携できる強力なプラットフォームでもあるからです。

LINEの連携機能を利用するには、LINE APIという仕組みを使います。LINE APIとは、LINEの機能やデータを外部のサービスやアプリから呼び出したり、逆に外部のサービスやアプリの機能やデータをLINEに送ったりするためのインターフェースで、多くのメリットがあります。

そこで今回は、LINE APIの連携機能の仕組みやメリット、基本的な使い方を徹底解説します。LINEをビジネスに活用しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

LINE APIとは?何ができる?

LINE APIとは、LINEと連携した開発を行うための機能やAPIの総称です。

LINE APIを使うと、以下のようなことができます。

  • チャットボットの開発
  • LINEログイン機能
  • IoT開発
  • 音声アシスタントの開発
  • LINE決済機能
  • ソーシャルボタン・通知機能

なかでも、チャットボットの開発は人気が高く、Messaging APIという機能を使って実現可能です。Messaging APIを使うと、ユーザーの反応に応じて自動でメッセージを送信したり、インタラクティブなコンテンツを表示したりできます。

LINE APIの種類と特徴

以下では、LINE APIの主な種類4つとその特徴について解説します。

  1. Messaging API
  2. LINEログイン
  3. LINE Things
  4. LINE Pay

それぞれ解説します。

1.Messaging API

Messaging APIは、LINEと連携したチャットボットの開発を行うためのAPIです。

Messaging APIでは、ユーザーのメッセージに応じて自動で返信したり、テキストや画像、動画、音声などのマルチメディアコンテンツを送信したりできます。また、インタラクティブなUIを提供するイメージマップやテンプレート、Flexなどの機能もあります。

2.LINEログイン

LINEログインは、LINEのアカウント情報を利用して、他のサービスにログインできる機能です。

LINEログインを使うことで、ユーザーが新しいIDやパスワードを覚える必要がなく、簡単にサービスにアクセスできます。また、LINEログインを利用すると、ユーザーのプロフィール情報や友だちリストなどの取得も可能です。

3.LINE Things

LINE Thingsは、LINEと連携したIoT開発を行うための機能です。

LINE Thingsを使うと、Bluetooth Low Energy (BLE)を搭載したデバイスとLINEアプリを簡単に接続できます。また、デバイスの状態や操作をLINEアプリ上で確認したり、Messaging APIを使ってデバイスとコミュニケーションしたりできます。

4.LINE Pay

LINE Payは、LINEの決済機能です。

LINE Payを使うと、LINEアプリ内でクレジットカードや銀行口座、LINEポイントなどを使って支払いができます。また、LINE Payを利用すると、ユーザーに対してキャッシュレス還元やポイント還元などの特典を提供できます。

これらのLINE APIを使うことで、LINEと連携したさまざまなサービスやアプリを開発可能です。LINE APIの使い方は「LINE Developers」のコンソールからアカウントを作成し、必要な設定を行うことで始められます。

LINE APIの利用方法

以下では、LINE Developersコンソールでのチャネル作成や設定の手順を解説します。

LINE APIを利用する際は、まず、LINE Developersコンソールにログインします。

次に、プロバイダーとチャネルを作成します。プロバイダーとは、LINE APIを利用する開発者や組織の情報です。チャネルとは、LINE APIの種類や機能を表す通信路です。

プロバイダーとチャネルの作成方法は、利用するLINE APIによって異なります。例えば、チャットボットを開発する場合は、Messaging APIのチャネルを作成します。LINEログインを利用する場合は、LINEログインのチャネルを作成します。

チャネルを作成したら、必要な設定を行いましょう。例えば、Messaging APIのチャネルでは、Webhook URLやアクセストークンなどの設定が必要です。LINEログインのチャネルでは、リダイレクトURLやスコープなどの設定が必要です。

設定を完了したら、LINE APIを利用して開発を行います。

なお、開発の方法やサンプルコードなどは、LINE DevelopersLINEヤフー Tech Blogなどで見ることができます。

Messaging APIの活用事例

Messaging APIの活用事例には、以下のようなものがあります。

メッセージの送受信

Messaging APIを使うと、ユーザーからのメッセージに応じて自動で返信したり、テキストや画像、動画、音声などのマルチメディアコンテンツを送信したりすることが可能です。

例えば、ヤマト運輸は、お届け予定や不在連絡などをLINEで送信し、顧客との連絡をLINEで完結しています。

また、対話型アンケートは、ユーザーの回答に応じて次の質問を出し分けることで、効率的なアンケートを実現しています。

コンテンツの取得

Messaging APIを使うと、ユーザーが送信したコンテンツの情報を取得できます。

例えば、独自クーポン配布は、ユーザーが送信した画像のQRコードを読み取って、クーポンを発行する仕組みです。

また、位置情報を利用した店舗検索は、ユーザーが送信した位置情報をもとに、近くの店舗を案内する仕組みです。

プロフィールの確認

Messaging APIを使うと、ユーザーのプロフィール情報を取得できます。

例えば、友だち一覧表示は、友だち追加されたユーザーのユーザー名やプロフィール画像を確認できる機能です。

また、ブロックされたかどうかの確認は、ブロックされたユーザーのユーザー名やプロフィール画像を確認できる機能です。

グループトークの参加

Messaging APIを使うと、グループトークに参加して、メッセージの送受信やコンテンツの取得ができます。

例えば、アカウント統合は、複数のLINEアカウントを運営している場合に、グループトークに招待して、友だち誘導施策を行う仕組みです。

また、お気に入り店舗登録は、グループトークに参加したユーザーに対して、お気に入り店舗の登録や削除を行う仕組みです。

さまざまな種類のメッセージ形式

Messaging APIを使うと、さまざまな種類のメッセージ形式を送信できます。

例えば、Flex Messageは、リッチかつ操作性の高いメッセージを提供できる機能です。

また、クイックリプライは、ユーザーに選択肢を提示して、必要な情報をスムーズに取得できる機能です。

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LINEログインの活用事例

LINEログインの活用事例には、以下のようなものがあります。

アカウント連携

LINEログインを使うと、ユーザーはLINEアカウントを利用して、他のサービスにログインや会員登録ができます。また、LINE公式アカウントの友だち追加やID連携も同時に行えます。

これにより、ユーザーの利便性が向上し、会員登録率やCVR、リピート率などが改善されるでしょう。

例えば、ナースリーは、LINEログインを導入することで、新規会員登録フローでのID連携率が2.5倍になり、LINE経由のリピート売上が新規売上を逆転しました。

ユーザー情報の取得

LINEログインを使うと、ユーザーのプロフィール情報や友だちリストなどを取得できます。

これにより、ユーザーの属性や嗜好に応じたパーソナライズされたサービスやコンテンツを提供できます。

例えば、ヒラキは、ID連携を活かして、メルマガとLINEを効果的に出し分けし、LINE経由の売上を伸長させました。

LINE Social Pluginsの利用

LINEログインを使うと、LINE Social Pluginsという機能を利用できます。LINE Social Pluginsとは、LINEのソーシャルボタンや通知機能をWebサイトやアプリに埋め込むことができる機能です。

これにより、ユーザーが簡単にLINEでコンテンツをシェアしたり、LINE公式アカウントに友だち追加したり、LINEで通知を受け取ったりできます。

例えば、NTTぷららは、LINE Social Pluginsを活用して、再入荷や値下げのお知らせなどをLINEで通知し、LINE経由の売上を増やしました。

LINE Thingsの活用事例

LINE Thingsとは、LINEアプリとBluetooth LEデバイスを簡単に連携できるプラットフォームです。LINE Thingsを使うことで、LINEアプリからデバイスを操作したり、デバイスからデータを受け取ったり、ビーコンとして利用したりできます。

LINE Thingsは、LINEアプリがインストールされていれば、別途アプリをダウンロードする必要がなく、すぐに使えるという利点があります。

LINE Thingsの活用事例としては、以下のようなものがあります。

Car Battery Checker

Car Battery Checkerは、車のバッテリー状態をLINEアプリで確認できるデバイスです。バッテリーに異常があった場合には、LINEアプリに通知が届きます。

Drink Bar

Drink Barは、LINE ThingsとBLEで飲み物を注文できるデバイスです。LIFFアプリで商品を選択し、決済をすると、デバイスが飲み物を提供します。

LINE Bacon

LINE Baconは、調理器具につなぐことで燻製を最適な状態で作成できるデバイスです。LINEアプリで調理時間や温度を設定し、調理の進捗を確認できます。

BLE ラジコンカー

BLE ラジコンカーは、スマホで操作できる、おもちゃのラジコンです。LINEアプリで前後左右の操作やホーンの鳴らし方を設定できます。

温度計・湿度計

温度計・湿度計は、室内の温度や湿度をLINEアプリで確認できるデバイスです。デバイスにはE inkディスプレイが搭載されており、LINEアプリで表示内容を変更できます。

これらの活用事例では、LINE Thingsの機能を実現するために、以下のようなコードや画像を使用しています。

LINE Things Starter 

LINE Thingsの開発を始めるためのサンプルコードです。Arduino IDEで書かれたファームウェアと、LIFFアプリのHTML/JavaScript/CSSのコードが含まれています。

LINE Things Starterは、LINE Things Starterからダウンロードできます。

LINE Things Developer Trial 

LINE Things Developer Trialは、LINE Thingsの開発を試すためのツールです。LINEアプリとデバイスの連携を簡単に行えるようになっており、[LINE Things Developer Trial]から利用できます。

LINE Things Product Maker 

LINE Things Product Makerは、LINE Thingsの開発を本格的に行うためのツールです。デバイスの登録や設定、LIFFアプリのホスティングなどができます。[LINE Things Product Maker]から利用できます。

LINE Payの活用事例

LINE Payとは、LINEアプリと連携した電子マネーサービスです。

LINE Payを使うと、友達との送金や割り勘、店舗やオンラインショップでの決済、LINEポイントの獲得や利用などが可能です。

LINE Payは、チャージや利用が基本的に無料で、銀行口座やコンビニATMから手軽にチャージできます。

LINE Payの活用事例としては、以下のようなものがあります。

デジタルギフト®

デジタルギフト®は、マーケティングや販促における報酬や謝礼の支払いにLINE Payを活用するサービスです。

受け取ったデジタルギフトはLINE Payにチャージされ、LINEポイントとしても利用できます。

LINE Pay加盟店

LINE Pay加盟店は、LINE Payを導入した店舗やオンラインショップのことです。

LINE Pay加盟店では、LINE Payで決済するとLINEポイントが貯まります。

また、LINE PayカードやQRコードを使って簡単に決済できます。

LINE Pay公的個人認証サービス

LINE Pay公的個人認証サービスは、マイナンバーカードをLINEアプリで読み取ることで、LINE Payに本人確認情報を登録できるサービスです。

LINE Pay公的個人認証サービスを利用すると、自治体の給付金申請や行政手続きなどがLINEアプリからできます。

これらの活用事例では、LINE Payの機能を実現するために、以下のようなコードや画像を使用しています。

LINE Pay API

LINE Pay APIは、LINE Payの決済機能を利用するためのAPIです。

LINE Pay APIを使うと、オンラインショップやアプリでLINE Payでの決済を実装できます。

LINE Pay SDK

LINE Pay SDKは、LINE Payの送金機能を利用するためのSDKです。

LINE Pay SDKを使うと、アプリ内でLINE Payでの送金を実装できます。

LINE Pay カード

LINE Payのオフライン決済機能を利用するためのカードです。

LINE Pay カードを使うと、クレジットカードや電子マネーと同じように店舗で決済できます。

LINE APIのメリットと注意点

以下では、LINE APIのメリットと注意点について解説します。

LINE APIのメリット

LINE APIのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

LINEのユーザーベースを活用できる 

LINEは日本で最も利用されているコミュニケーションアプリであり、国内の利用者数は9000万人(2023年12月時点)を超えています。LINE APIを利用することで、この巨大なユーザーベースにアプローチできます。

LINEのブランド力を活用できる

LINEは日本のみならず、台湾やタイなどのアジア圏でも高い知名度と信頼性を持っています。LINE APIを利用することで、LINEのブランド力を借りることも可能です。

LINEの機能やサービスを活用できる 

LINE APIを利用することで、LINEが提供する機能やサービスを自分のアプリやウェブサイトに組み込むことができます。

例えば、チャットボットを作ることで、ユーザーとのコミュニケーションを自動化したり、LINEログインを使うことで、ユーザーの登録や認証を簡単にしたり、LINE Payを使うことで、決済をスムーズにしたりできます。

LINE APIの注意点

一方、LINE APIの注意点としては、以下のようなものが挙げられます。

LINE APIの種類や仕様によっては、制限やポリシーがある

LINE APIには、利用できる回数や期間、対象となるユーザーやデバイスなどに制限やポリシーが設けられているものがあります。

例えば、Messaging APIでは、ユーザーからのメッセージに対して5秒以内に返信する必要があったり、一斉送信の場合は月に1000万件までしか送信できなかったりします。そのため、LINE APIを利用する際は、事前に制限やポリシーを確認することが大切です。

LINE APIの利用には、事前の申請や登録が必要な場合がある

LINE APIには、利用するために事前に申請や登録が必要な場合があります。

例えば、LINE PayやLINE Beaconなどは、事前に審査や契約が必要です。そのため、LINE APIを利用する際は、事前に申請や登録の手続きを行うようにしましょう。

▼下記の資料では、LINEをCRMとして活用する方法をわかりやすく解説しています。

・LINE公式アカウントでの顧客管理方法
・LINEに使えるCRMツールとは
・LINEを本格的にビジネスに活用するために

LINEの公式アカウントで顧客管理を行う際に「CRMツール」を活用すれば、友だち数(顧客数)が多くなってきたとしても正確な管理が可能です。
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LINE APIの料金について

LINE APIの料金は、APIの種類や利用規模によって異なります。

基本的には無料で利用できるものが多いですが、一部のAPIでは追加料金が発生する場合があります。

以下に、主要なAPIの料金体系をまとめてみました。

LINE Messaging API

LINE Messaging APIは、LINEのアカウントを通じてユーザーとメッセージのやりとりを可能にするAPIです。

このAPIは、無料で使えるフリープランからスタンダードプランまで3種類のプランがあります。また、プランによって、月間無料メッセージ数や追加メッセージ料金が異なります。

例えば、スタンダードプランでは、月額15,000円で月間45,000通まで無料でメッセージを送信でき、それを超える場合は1通あたり最大3円の料金がかかる仕組みです。

LINE Pay

LINE Payは、LINEユーザー間での送金や決済を可能にするサービスです。

LINE Payの利用料金は、取引ごとに一定の手数料が発生します。ただし、LINE Payの導入自体は完全無料で、初期費用や月額費用はかかりません。

LINE Login 

LINE Loginは、LINEのユーザーIDを利用して、他のアプリやウェブサイトにログインできる機能です。

LINE Loginの利用料金は基本的に無料ですが、月間のアクティブユーザー数が100万人を超える場合は、超過分に対して1人あたり0.5円の料金が発生します。

LINE Beacon

LINE Beaconは、LINEアプリとBluetooth LEデバイスを連携させる機能です。

LINE Beaconの利用料金は基本的に無料ですが、LINE Beaconを利用するためには、LINE Beacon対応のデバイスを購入する必要があります。なお、デバイスの価格はメーカーや仕様によって異なります。

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・LINE公式アカウントのブロックとは
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LINE APIのまとめ

このように、LINE APIは、LINEと他のアプリケーションを連携させるための仕組みです。LINE APIを使うと、ビジネスに活用できる、多種多様で便利な機能を利用できます。

また、LINE APIにはさまざまな種類があるため、目的に応じて選択でき、貴社の事業にも活かすことができるでしょう。

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