LINE公式アカウントを運営する企業にとって、ロゴの活用は友だち登録数を伸ばす重要な要素です。しかし、多くの担当者が知らずに規約違反を犯し、最悪の場合アカウント停止というペナルティを受けるケースが発生しています。
本記事では、LINE公式アカウントのロゴを安全かつ効果的に活用するための知識を体系的に解説します。まず使用可能なロゴの種類とダウンロード方法を理解し、次に必ず守るべき使用ルールを把握。そして実際の活用方法まで、段階的に習得できる構成になっています。
正しい知識を身に付けることで、リスクを回避しながら最大限の集客効果を発揮できるようになるでしょう。

LINE公式アカウントで使えるロゴの種類とダウンロード方法
LINE公式アカウントの宣伝に使えるロゴは複数存在し、それぞれ特徴や用途が異なります。適切なロゴを選び、正しい方法でダウンロードすることが、効果的な活用の第一歩です。ここでは各ロゴの違いから具体的な入手方法、さらに2020年のサービス統合に伴う注意点まで詳しく解説します。
LINEアプリアイコン・公式アカウントロゴ・LINEポイントロゴの違い
LINE関連のロゴは大きく3種類に分類されます。それぞれ特徴や用途が異なるため、目的に応じた使い分けが重要です。
LINEアプリアイコン
もっとも認知度が高いのは、緑色の背景に「LINE」の文字が入ったLINEアプリアイコンです。スマートフォンのホーム画面でおなじみのこのアイコンは、iPhoneとAndroid向けにそれぞれ最適化されたデザインが用意されており、角の丸みなどに若干の違いがあります。
ユーザーへの訴求力がもっとも高いため、店舗POPやWebバナーなど一般向けの告知では、このLINEアプリアイコンの使用が推奨されています。
LINE公式アカウントのテキストロゴ
次にLINE公式アカウントのテキストロゴは、「LINE公式アカウント」という文字のみで構成されたシンプルなデザインです。1行で表示するタイプと2行に分けて表示するタイプの2種類があり、レイアウトに応じて使い分けが可能です。文字ベースのため、ほかのデザイン要素と組み合わせやすいという利点があります。
LINEポイントロゴ
3つ目のLINEポイントロゴは、ポイント付与キャンペーンなどで使用する専用ロゴです。文字の配置や色などで複数のバリエーションが提供されています。ただし、実際にLINEポイントを付与する施策を実施していない場合は使用できません。
公式サイトから素材をダウンロードする手順
必要なロゴ素材は、LINEヤフー株式会社の公式サイトから無料でダウンロードできます。手順は以下のとおりです。
まず「LINEヤフー for Business」のロゴガイドラインページにアクセスします。ページ内には各種ロゴが一覧表示されており、必要なロゴのデータダウンロードボタンをクリックすることでダウンロードが始まります。
ダウンロードできるデータは用途別に2種類用意されています。印刷用データにはCMYKカラーモードのAI形式ファイルとガイドラインPDFが含まれ、チラシやポスターなど紙媒体での使用に適しています。一方、デジタル用データにはRGBカラーモードのAI形式に加え、PNG形式やSVG形式のファイルも含まれており、WebサイトやSNSでの使用に最適です。
なお、日本国内で使用する場合は必ず日本語表記のロゴを選択してください。英語表記のロゴも提供されていますが、国内向けの告知では使用できません。
ダウンロード時には最新版を入手することも重要です。ロゴデザインやガイドラインは更新される可能性があるため、定期的に公式サイトを確認し、常に最新のデータを使用するよう心がけましょう。
LINE@廃止後の注意点と旧ロゴからの差し替え
2020年4月、LINEは従来の「LINE@」サービスを「LINE公式アカウント」に統合しました。この統合に伴い、LINE@のロゴは完全に使用禁止となっています。
もし現在も店舗のPOPやWebサイトでLINE@のロゴを使用している場合は、速やかにLINE公式アカウントのロゴに差し替える必要があります。旧ロゴを使い続けることは規約違反となり、ペナルティの対象となる可能性があります。
差し替えの際は、単にロゴを変更するだけでなく、文言も「LINE@」から「LINE公式アカウント」に修正することを忘れずに。特に印刷物の場合は在庫管理も含めて計画的な差し替えが必要です。
また、過去に作成したQRコードについても確認が必要です。LINE@時代のQRコードは引き続き使用できますが、周辺の説明文やロゴは現行のものに更新しましょう。新規作成する場合は、LINE公式アカウントの管理画面から最新のQRコードを取得することをおすすめします。
知らないと失敗!ロゴ使用で絶対に守るべきルール

LINEのロゴは誰でも無料でダウンロードできますが、使用には厳格なルールが定められています。これらのルールを知らずに違反すると、ロゴの使用停止だけでなく、LINE公式アカウント自体の利用制限につながるおそれがあります。ここでは企業が特に注意すべきポイントを具体的に解説します。
色や形の改変・加工・併用が禁止されている理由
LINEが提供するすべてのロゴは、一切の改変を加えずにそのまま使用することが大原則です。この厳格なルールには明確な理由があります。
まず、ブランドイメージの統一性を保つためです。LINEの緑色(RGB値:R6 G199 B85)は企業のアイデンティティを表す重要な要素であり、勝手に色を変更することはブランド価値を損なう行為と見なされます。たとえモノクロ印刷であっても、提供されたカラーデータをそのままグレースケール変換して使用しなければならず、独自に白黒版を作成してはいけません。
禁止されている改変の例として、アイコンへの影や縁取りの追加、吹き出し部分のみの切り抜き使用、ロゴの回転や変形などがあります。これらは一見些細な変更に思えますが、すべて規約違反となります。
また、複数のLINE関連ロゴを同時に使用することも禁止されています。例えば、LINEアプリアイコンとLINE公式アカウントのテキストロゴを並べて配置したり、1枚のチラシに複数のLINEアイコンを散りばめたりすることはできません。
さらに、文章中にLINEアイコンを埋め込むことも禁止事項です。「お得な情報は[LINEアイコン画像]でお届け」のような使い方は規約違反となるため、ロゴは必ず独立した要素として配置する必要があります。
アイソレーション(余白)と最小サイズの具体的な規定
ロゴを配置する際は、アイソレーションと呼ばれる余白の確保が必須です。これは、ロゴの視認性を保ち、ほかの要素との混同を防ぐための重要なルールです。
具体的な規定として、LINEアプリアイコンの場合、アイコンの一辺の長さを「A」とすると、上下左右に0.2×A以上の余白を確保する必要があります。例えば、アイコンの幅が50mmの場合、周囲に最低10mmの余白が必要ということです。この余白内には、文字や画像などほかの要素を一切配置してはいけません。
最小使用サイズについても厳格な規定があります。LINEアプリアイコンの場合、デジタル媒体では20ピクセル以上、印刷物では7mm以上で使用する必要があります。これより小さいサイズでは視認性が損なわれ、ブランドイメージを適切に伝えることができないためです。
LINE公式アカウントのテキストロゴにも同様の規定があり、1行版は高さ3.5mm(10ピクセル)以上、2行版は高さ7.5mm(22ピクセル)以上で使用することが定められています。
これらの規定は、すべての媒体で統一的に適用されます。スペースが限られているからといって、規定を無視して小さく表示したり、余白を削ったりすることは許されません。レイアウトの段階から、これらの制約を考慮した設計が必要です。
プレスリリースや動画広告で必要な事前申請手続き
通常の販促物とは異なり、特定のケースではLINEヤフー社への事前確認と承認が必須となります。該当するのは以下の3つのケースです。
プレスリリース
企業がLINE公式アカウントの開設をプレスリリースで発表する場合、配信前にLINEヤフー社の確認を受ける必要があります。これは、誤った情報や不適切な表現が公になることを防ぐためです。
動画素材(すべての動画広告)
テレビCM、Web動画広告、店頭デジタルサイネージなど、形式を問わずあらゆる動画でLINEの名称やロゴを使用する場合は事前申請が必要です。静止画の広告は対象外ですが、1秒でも動きがある場合は申請が必要となります。
LINEポイントの訴求を含む広告物
「LINEポイントがもらえる」といった訴求を行う場合も、事前確認が必須です。実際にポイント付与を行う場合でも、告知方法や表現について承認を得る必要があります。
申請は、LINEヤフー社の公式サイトにある「LINEブランドの利用に関するお問い合わせ」フォームから行います。申請から承認までには時間がかかるため、制作スケジュールに余裕を持って進めることが重要です。
無断で使用した場合、公開後に差し止めを受ける可能性があり、大きな損失につながりかねません。該当する場合は必ず事前申請を行いましょう。
▼下記のお役立ち資料では、LINE公式アカウントを運用前に確認すべき「準備項目」をチェックリスト形式で整理し、“準備不足による失敗”を防ぐための実用的ガイドとしてご活用いただけます。ぜひご参考にしてください。

友だち登録を増やすロゴ活用の実践方法

正しいルールを理解したら、実際に効果的な活用方法を実践していきましょう。ガイドラインを遵守しながら、最大限の集客効果を発揮する方法を、具体的な事例とともに解説します。媒体ごとの特性を生かした配置や、便利な公式ツールの活用法まで、すぐに実践できるテクニックを紹介します。
店舗でのPOP・ポスター活用術とQRコードの組み合わせ
実店舗において、LINEロゴを活用したPOPやポスターは友だち登録を促す強力なツールとなります。成功のポイントは、視認性の高い場所への配置と、分かりやすい誘導文言の組み合わせです。
まず配置場所として効果的なのは、レジカウンター周辺、入口付近、待合スペースなどです。ある飲食店では、レジ横に卓上POPを設置し、会計時に自然に目に入るよう工夫したところ、月間の友だち登録数が3倍に増加したという事例があります。
POPを作成する際は、LINEアプリアイコンとQRコードを組み合わせて使用します。ただし、単にロゴとQRコードを並べるだけでは不十分です。「友だち追加はこちら」「お得なクーポン配信中」といった具体的なメリットを示す文言を必ず添えましょう。
QRコードのサイズは最低でも2cm×2cm以上を確保し、スマートフォンで読み取りやすい高さに配置することも重要です。床から80~150cmの高さが、立った状態でも座った状態でも読み取りやすい理想的な位置とされています。
さらに効果を高めるには、初回登録特典の明示が有効です。「今なら500円OFFクーポンプレゼント」など、具体的な特典を大きく表示することで、その場での登録を促すことができます。
複数の掲示場所を活用する場合も、1カ所につきLINEアイコンは1つまでという規則を守りつつ、店内の動線に沿って段階的に訴求していくことで、自然な形で登録を促すことが可能です。
WebサイトやSNSでクリック率を高める配置テクニック
オンラインでのロゴ活用では、クリック率(CTR)を最大化する配置が重要です。単にロゴを掲載するだけでなく、ユーザーの行動心理を考慮した戦略的な配置が求められます。
Webサイトでは、ファーストビューに収まる位置への配置が基本です。特に効果的なのは、ヘッダーの右上やサイドバーの上部など、視線が自然に向かう場所です。ある美容室のWebサイトでは、予約ボタンの近くにLINE登録バナーを配置したところ、登録率が従来の2.5倍に向上しました。
スマートフォン表示では、画面下部に固定表示される「フローティングバナー」も効果的です。ただし、LINEアイコンの最小サイズ(20ピクセル)を下回らないよう、適切なサイズ設定が必要です。
SNSでの活用では、プロフィール欄へのリンク設置が基本となります。InstagramやTwitter(X)では、プロフィールにLINE公式アカウントへの誘導文とURLを記載し、定期的な投稿でも登録を促します。
投稿画像にロゴを使用する場合は、アイソレーションルールを守りつつ、目立つ位置に配置します。画像の四隅は見落とされやすいため、中央寄りか上部への配置が推奨されます。
また、「期間限定」「先着◯名」といった緊急性を演出する文言と組み合わせることで、即座の行動を促すことができます。ただし、虚偽の情報は信頼を損なうため、実際に期限や人数制限がある場合のみ使用しましょう。
認証済みアカウントで使える無料の公式ツール活用法
LINE公式アカウントが「認証済みアカウント」のステータスを取得すると、さまざまな公式ツールを無料で利用できるようになります。これらのツールを活用することで、プロ仕様の販促物を簡単に作成できます。
まず注目すべきは、LINEのキャラクターが入った店舗で使える案内用ポスターを、無料でダウンロードできることです。管理画面から数クリックで、店舗名やQRコードが印刷された公式デザインのポスターをダウンロードできます。
LINEの公式デザインによる案内用ポスターは、以前は認証済みアカウントのみが利用できるものでした。しかし、2021年10月1日以降は未認証アカウントでも案内用ポスターを作成できるようになっています。一方で、LINEのキャラクターが入ったデザインを使えるのは、認証済みアカウントの特権です。
これらの公式ツールで作成される販促物は、すべてガイドラインに準拠したデザインとなっているため、規約違反の心配がありません。また、LINEキャラクターが使用されたデザインのポスターを使用することは、通常は使用できないキャラクターを合法的に活用できる貴重な機会となります。
さらに、三角POPやステッカーなども有料で注文できます。テーブルやカウンターなど、目につきやすい位置に設置することで、友だちの増加に効果的です。
未認証アカウントの場合はこれらのツールを利用できないため、認証申請を行うことをおすすめします。認証には審査がありますが、正当な事業を行っている企業であれば問題なく通過できるはずです。
認証済みアカウントの特典を最大限活用することで、コストを抑えながら効果的なプロモーションを展開できます。
今すぐ実践!安全で効果的なLINE公式アカウントのロゴ活用
LINE公式アカウントのロゴは、正しく活用すれば友だち登録を大幅に増やす強力なツールとなります。本記事で解説した3種類のロゴの特徴を理解し、公式サイトから適切なデータをダウンロード。厳格なガイドラインを遵守しながら、店舗やWebサイトで戦略的に配置することで、安全かつ効果的な集客が実現できます。
特に重要なのは、規約違反のリスクを避けることです。色や形の改変、複数ロゴの併用、規定サイズ以下での使用など、一見些細に思える違反も重大なペナルティにつながる可能性があります。また、プレスリリースや動画広告では事前申請を忘れずに。
今すぐ公式サイトにアクセスし、最新のロゴデータとガイドラインを入手しましょう。そして本記事で紹介した実践方法を参考に、自社に最適な活用方法を見つけてください。正しい知識と適切な実践により、LINE公式アカウントを最大限に活用した集客戦略を展開できるはずです。
さらに、友だち登録数が増えてきたら、LINEのビジネス活用をより効果的に進めるためにLINEマーケティングツールの導入も検討してみましょう。メッセージ配信の自動化や顧客管理、分析機能などを活用することで、獲得した友だちとの関係をより深め、売上向上につなげることができます。
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