ビジネスアカウントでLINE公式アカウントにログインする方法と注意点

LINE公式アカウントを運用する際、多くの企業担当者が最初に直面するのが「ログイン方法の選択」です。特に「ビジネスアカウントでログイン」という選択肢について、その意味や使い方がよく分からないという声を耳にします。実は、このログイン方法の選択は、その後の運用効率やセキュリティに大きく影響する重要な決定なのです。

2024年7月には、ビジネスアカウントを狙った不正アクセス事件も発生し、改めてその管理の重要性が注目されています。本記事では、ビジネスアカウントでのログインについて、基本的な仕組みから具体的な手順、さらには最新のセキュリティ対策まで、実務で必要な情報を網羅的に解説します。

目次

ビジネスアカウントでのログインとは?LINEアカウントとの違いを理解しよう

LINE公式アカウントを作成する際、誰もが最初に迷うのが「LINEアカウントでログイン」と「ビジネスアカウントでログイン」の選択です。この2つには明確な違いがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。企業での運用を検討している場合、この選択は運用体制全体に影響を与える重要な決定となります。

メールアドレスで作成するビジネスアカウントの仕組み

ビジネスアカウントとは、LINE公式アカウントを作成する際に「メールアドレスで登録」を選択した場合に作成されるアカウントです。正確には、メールアドレスを使って作成したLINEビジネスIDのことを指します。

このビジネスアカウントの最大の特徴は、個人のLINEアカウントと完全に切り離されて存在することです。企業のメールアドレスを使用して登録するため、プライベートな情報を一切含まずに管理できます。

ビジネスアカウントを作成すると、そのメールアドレスとパスワードの組み合わせで管理画面にアクセスできるようになります。複数の担当者で管理する場合は、このログイン情報を共有することで、誰でも同じアカウントにアクセスできます。1つのLINEビジネスIDにつき、LINE公式アカウントは100個まで作成可能なため、複数店舗を運営する企業にも適しています。

LINEアカウントでログインとの使い分けポイント

LINEアカウントでログインする場合は、普段使用している個人のLINEアプリと連携する形になります。この方法の最大の利点は、即座にアカウントを開設できることです。メールアドレスやパスワードの新規登録が不要なため、個人事業主や小規模な運用では手軽に始められます。

QRコードでのログインや、スマートフォンアプリからワンタップでの認証も可能で、日常的な操作が非常にスムーズです。一方で、企業での運用を考えると課題も見えてきます。

管理画面を共有するには個人のLINEログイン情報を教える必要があり、プライバシーの観点から避けたい企業が多いでしょう。また、担当者が退職した場合の引き継ぎも複雑になり、場合によってはアクセスできなくなるリスクもあります。

どちらを選ぶべき?企業規模別の選択基準

個人事業主や小規模店舗の場合、LINEアカウントでのログインがおすすめです。管理者が1~2名程度で、長期的に同じ担当者が運用を続ける場合は、手軽さを重視した選択が合理的でしょう。

中小企業で複数名での運用を想定している場合は、ビジネスアカウントが適しています。ただし、担当者の入れ替わりが少ない場合は、LINEアカウントでログインし、権限管理機能を活用する方法も有効です。

大企業や複数部署での運用が前提の場合は、ビジネスアカウントの選択が基本となります。2024年7月の不正アクセス事件を踏まえ、企業の公式メールアドレスの使用やパスワード管理ツールの導入など、組織的な管理体制の構築が不可欠です。

ビジネスアカウントでログインする手順とコツ

ビジネスアカウントでのログインは、一見シンプルに見えて意外と奥が深いものです。PC版とスマホ版で微妙に操作が異なったり、初回ログイン時には特別な設定が必要だったりと、知っておくべきポイントがいくつもあります。効率的な運用のためのコツも併せて紹介します。

PC版でスムーズにログインする方法

PC版でのログインは、LINE公式アカウントの管理画面ログインページから行います。ブラウザでLINEヤフー for Businessの管理画面にアクセスし、「管理画面にログイン」をクリックします。

次に「ビジネスアカウントでログイン」を選択すると、メールアドレスとパスワードの入力画面が表示されます。登録時に使用したメールアドレスを正確に入力することが重要です。

よくある失敗例として、企業の代表メールアドレスで登録したつもりが、実際は担当者の個人用企業メールで登録していたというケースがあります。ブラウザの自動入力機能を活用すると便利ですが、共用PCでは毎回手動で入力することをおすすめします。

スマホアプリからの効率的なログイン

スマートフォンからのログインは、専用アプリを使用する方法が便利です。LINE公式アカウントアプリをインストール後、初回起動時に「メールアドレスでログイン」を選択し、続いて「ビジネスアカウントでログイン」を選びます。

アプリの大きな利点は、一度ログインすれば、次回以降は生体認証(指紋認証や顔認証)でアクセスできることです。これにより、セキュリティを保ちながら素早くアクセスできます。

ただし、アプリ版では使用できる機能に制限があります。メッセージ配信、簡単な分析、チャット対応などの基本機能は使えますが、詳細な設定変更はPC版でしか利用できません。外出先での簡単な確認はアプリで、詳細な作業はPCで行うという使い分けが重要です。

ログイン情報を安全に管理する3つのポイント

ビジネスアカウントのパスワード管理は、企業のセキュリティ対策の第一歩です。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

1. パスワード管理ツールの活用

企業向けのパスワード管理ツールを導入し、強固なパスワードを自動生成して安全に保管する仕組みを作りましょう。「123456」や「password」といった簡単なパスワードは絶対に避けてください。

2. アクセス権限の明確化

ログイン情報を知っている人を必要最小限に限定し、誰がアクセス権を持っているかを文書化しておきます。担当者の異動や退職時には、速やかにパスワードを変更する運用ルールを定めておきましょう。

3. ログイン履歴の定期確認

不正アクセスの早期発見のため、月に一度はログイン履歴を確認します。見覚えのない時間帯やIPアドレスからのアクセスがないかチェックしましょう。

要注意!ビジネスアカウントの落とし穴と対策方法

ビジネスアカウントは便利な反面、いくつかの制限事項や潜在的なリスクが存在します。特に2024年7月に発生した不正アクセス事件は、多くの企業に衝撃を与えました。ここでは、ビジネスアカウント特有の注意点と対策について解説します。

料金プランの変更はできない?知っておくべき制限事項

ビジネスアカウントでログインしている場合の最大のデメリットは、料金プランの変更に制限があることです。基本的に、料金プランの変更はLINEアカウントでログインしないと行えません。

この制限は、無料のコミュニケーションプランから有料プランへの移行時に特に問題となります。メッセージ配信数が増えてきて、有料プランへの移行を検討する段階で初めてこの制限に気づく企業も少なくありません。

対処法としては、あらかじめLINEアカウントとビジネスアカウントをひも付けておくことです。これにより、必要なときだけLINEアカウントでログインして料金プランを変更できます。決済情報の登録や請求書の発行設定なども、LINEアカウントでのログインが必要な場合があります。

2024年に発生した不正アクセス被害

2024年7月、LINEヤフー社から衝撃的な発表がありました。ビジネスアカウントを対象とした不正アクセスが確認され、複数の企業アカウントが被害を受けたのです。

重要な点は、この不正アクセスが「ビジネスアカウントでのログイン」においてのみ確認されたことです。LINEアカウントでログインしているユーザーへの被害は報告されていません。

被害はすべて、二要素認証を設定していないアカウントで発生しました。被害企業では、知らない間にスパムメッセージが配信される事態が発生しています。

セキュリティを高める必須の設定項目

安全なパスワードの条件は、最低でも12文字以上、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせることです。例えば「Kj9#mP2$xL5@nQ7」のようなランダムな文字列が理想的です。

また、二段階認証はぜひ取り入れたい対策です。LINEアカウントでログインする場合は「メールアドレスとパスワードの入力」に加えて「4桁の認証コード入力」、ビジネスアカウントでログインする場合は「メールアドレスとパスワードの入力」に加えて「6桁の認証コード入力」でログインするよう設定できます。

企業のセキュリティポリシーが許す場合は、VPNを導入して特定のIPアドレスからのみアクセスできるよう制限することも検討しましょう。

ログインできない!トラブル時の解決方法

「急にログインできなくなった」「パスワードを忘れてしまった」といったトラブルは決して珍しくありません。特に、長期間ログインしていなかった場合や、担当者が変わった際によく発生します。適切な対処法を知っていれば、ほとんどのケースで問題は解決できます。

パスワードを忘れたときのリセット手順

パスワードを忘れた場合、管理画面のログインページにアクセスし、「ビジネスアカウントでログイン」を選択します。入力画面の下部にある「パスワードをリセット」をクリックしましょう。

次の画面で、登録時に使用したメールアドレスを入力し、「送信」ボタンをクリックします。数分以内に、パスワードリセット用のメールが届きます。

メール内のリンクをクリックすると、新しいパスワードを設定する画面が開きます。リンクの有効期限は30分以内なので、メールを受信したらすぐに作業を行いましょう。リセットメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認してください。

メールアドレスが分からなくなったときの確認方法

ビジネスアカウントで使用したメールアドレスが分からなくなった場合、もっとも確実な方法は受信メールの履歴を確認することです。LINEヤフー for Business運営事務局から定期的に配信されるメールを探してみましょう。

「[LINEビジネスID] ログイン通知」という件名のメールが、登録したアドレスに届いているはずです。Gmailを使用している場合は、検索欄に上記の件名を入力すれば、すぐに該当メールを見つけられます。

社内で複数のメールアドレスを使用している場合は、代表メール、部署の共有メール、個人の業務用メールなど、可能性のあるアドレスを順番に確認していきましょう。それでも見つからない場合は、LINE公式アカウント作成時の記録や、社内の申請書類などを確認します。

どうしても復旧できない場合の最終手段

上記の方法を試してもログインできない場合、残念ながらアカウントの新規作成を検討する必要があります。特に、管理者が1人だけで、その人がアクセスできなくなった場合は、アカウントの復旧は極めて困難です。

新規作成する際は、複数の管理者を設定することが重要です。最低でも2名以上の管理者を登録し、1人がアクセスできなくなっても運用が止まらない体制をつくります。

また、LINEアカウントとビジネスアカウントの両方をひも付けておくことで、どちらか一方からでもアクセスできる状態をつくります。アカウントを作り直す場合、既存の友だちには再度友だち追加をしてもらう必要があるため、旧アカウントでおわびのメッセージを配信しましょう。

運用効率を上げるログイン管理術

効率的なLINE公式アカウント運用の鍵は、実はログイン管理にあります。複数人でのチーム運用、引き継ぎ時のスムーズな移行、セキュリティの確保を同時に実現するには、戦略的なログイン管理が不可欠です。

複数の管理者設定で運用リスクを回避

LINE公式アカウントの権限管理機能を活用することで、安全かつ効率的な複数人運用が可能になります。管理者権限を持つメンバーを複数設定することで、誰か1人がログインできなくなっても、ほかの管理者がカバーできる体制をつくれます。

権限の種類は「管理者」「運用担当者」「運用担当者(配信不可)」「運用担当者(分析の閲覧不可)」の4つから選べます。役割に応じて適切な権限を付与することで、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。

メンバーの追加は、管理画面の「設定」→「権限管理」から行えます。「メンバーを追加」をクリックし、権限の種類を選んでURLを発行し、そのURLを追加したいメンバーに共有します。

LINEアカウントとのひも付けで二重の安全性を確保

ビジネスアカウントとLINEアカウントの両方をひも付けることで、ログイン方法の選択肢が増え、運用の柔軟性が大幅に向上します。

ひも付けの手順は簡単です。ビジネスアカウントでログイン後、管理画面上部の「アカウント」から「設定」を選択します。そこで「LINE」欄にLINEアカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、認証を完了させます。

このひも付けにより、通常はビジネスアカウントでログインしながら、料金プラン変更などLINEアカウントが必要な作業の際だけ、LINEアカウントでログインするという使い分けが可能になります。

チーム運用に最適な権限管理の活用

大規模なチームでLINE公式アカウントを運用する場合、権限管理の設計が成功の鍵を握ります。組織図に基づいた権限設計を行い、マネージャークラスには「管理者」権限を、実務担当者には必要最小限の権限を付与します。

部門ごとの役割分担も明確にします。マーケティング部門には配信権限を、カスタマーサポート部門にはチャット対応権限を、というように業務内容に応じた権限設定を行います。

定期的な権限の棚卸しも欠かせません。3カ月に1度は権限保有者リストを確認し、不要になった権限は速やかに削除します。セキュリティインシデントが発生した場合の対応フローも準備しておきましょう。

まとめ:安全で効率的なLINE公式アカウント運用を実現するために

LINE公式アカウントのビジネスアカウントでのログインは、単なるログイン方法の一つではなく、運用全体の効率性とセキュリティを左右する重要な要素です。

本記事で紹介した知識とテクニックが、より安全で効率的な運用の一助となれば幸いです。適切なログイン管理は、LINE公式アカウントを通じた顧客とのよりよい関係構築にもつながるはずです。

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