LINE公式アカウントを削除する前に知っておくべきこと

LINE公式アカウントの削除は、利用者にとっても運用者にとっても重要な決断となります。増えすぎた公式アカウントの整理や、事業変更による運用終了など、削除を検討する理由はさまざまですが、実行前に理解しておくべき重要事項が数多く存在します。

本記事では、削除に関する正確な手順と注意点を詳しく解説していきます。

目次

【利用者】友だちリストから不要な公式アカウントを削除する方法

LINE公式アカウントが増えすぎると、重要な通知が埋もれてしまい日常的なコミュニケーションに支障をきたすことがあります。しかし、単純にトーク画面を削除するだけでは問題は解決しません。正しい手順と各機能の違いを理解することで、効果的に公式アカウントを整理できるようになります。

ブロック・非表示・削除の違いと使い分け方

LINE上で公式アカウントを整理する方法には主に3つの選択肢があり、それぞれ異なる効果を持っています。

非表示機能は、トーク一覧から特定の公式アカウントを隠す機能です。友だち関係は維持されたままで、新規メッセージは引き続き届きます。トーク履歴も保持され、単に画面上から見えなくなるだけという特徴があります。

ブロック機能を使用すると、該当する公式アカウントからのメッセージ受信を完全に拒否できます。友だちリストからは「ブロックリスト」に移動し、新規メッセージは一切届かなくなります。過去のトーク履歴はその時点で残りますが、ブロック中は新たなメッセージを受信することはありません。

削除(友だち解除)は、友だちリストから公式アカウントを完全に消去する操作です。具体的にはブロックした後、ブロックリストからも削除することで実現します。この操作により友だち関係が完全に解消され、メッセージももう届くことはありません。再度利用したい場合は、改めて友だち追加の手続きが必要となります。

これらの機能を状況に応じて使い分けることが、効果的なアカウント管理の鍵となります。配信内容は必要なものの通知が煩わしい場合は通知オフ機能、一時的に整理したい場合は非表示、完全に関係を断ちたい場合はブロックと、削除の組み合わせを選択することが適切です。

iPhoneとAndroidそれぞれの削除手順

公式アカウントを削除するには、ブロック後にブロックリストから削除します。トーク履歴の削除は任意で、必要に応じて行います。

iPhone版LINEでは、削除したい公式アカウントのトーク画面を開き、右上のメニューからブロックを選択します。次に、設定画面から友だち→ブロックリストに進み、該当アカウントを削除します。これで友だち関係が解消されます。トーク履歴も削除したい場合は、トーク一覧で該当アカウントを左にスワイプし、削除ボタンをタップします。

Android版LINEも同様です。トーク画面を開き、右上のメニューからブロックを選択後、設定画面から友だち管理→ブロックリストに進み、該当アカウントを削除します。トーク履歴も削除する場合は、トーク一覧で対象アカウントを長押しし、メニューから削除を選択します。

ブロックリストから削除すると、友だち関係が解消されます。トーク履歴は必要に応じて削除してください。

削除作業は慎重に進めてください。重要な情報がある場合は、削除前にスクリーンショットで保存しておくとよいでしょう。

削除した公式アカウントを再登録する方法

削除した公式アカウントは再登録できます。

トーク履歴から再登録する方法

ブロック削除後もトーク履歴が残っている場合、そこから直接再登録できます。

トーク一覧から該当トークを開くと、上部に「このアカウントをブロックしています」と表示されます。【ブロック解除】をタップし、続いて【追加】を選択すると、友だちリストに再追加され、トーク履歴もそのまま利用できます。

検索やQRコードから再登録する方法

トーク履歴を削除した場合は、以下の方法で再登録できます。

LINEアプリのホーム画面上部の検索バーから、削除した公式アカウントの名前やIDを検索します。検索結果に表示されたアカウントの追加ボタンをタップすると、再登録できます。

検索で見つからない場合は、企業や店舗の公式サイトやSNSを確認してみましょう。QRコードや友だち追加用URLから再登録できます。

トーク履歴を削除してから再登録した場合、過去の履歴は復元されません。重要な情報は削除する前に保存しておきましょう。

再登録の際は、本当に必要なアカウントか検討しましょう。削除した理由を振り返り、通知設定を見直してから再登録すると、より快適に利用できます。

通知が多い場合の代替手段

公式アカウントからの通知に悩まされている場合、必ずしも削除が唯一の解決策ではありません。

通知オフ機能を活用することで、メッセージの受信は継続しながら、スマートフォンへのプッシュ通知だけを停止できます。公式アカウントのトーク画面を開き、右上のメニューから通知オフを選択するだけで設定可能です。

この機能により、頻繁な通知音や画面表示に悩まされることなく、自分のタイミングで情報を確認できるようになります。特にクーポンや特売情報など、「有益な情報は受け取りたいものの通知は控えたい」という場合に効果的です。

また、定期的な見直しも重要です。登録している公式アカウントを定期的に確認し、利用頻度の低いものは思い切って削除することで、通知の総量を減らせます。必要になれば再登録できるため、現在本当に必要なアカウントだけを残すという選択も有効です。

通知設定の細かな調整により、削除せずとも快適な利用環境を構築できることが多いため、まずは通知オフや非表示機能を試してみることをおすすめします。削除は最終手段として位置づけ、段階的に対処していくことが賢明な選択といえます。

【運用者】運用中のLINE公式アカウントを削除する際の注意点

企業や店舗がLINE公式アカウントの削除を検討する際は、利用者の削除とは比較にならないほど慎重な準備が必要です。削除により失われるデータや顧客との接点は二度と取り戻せないため、事前の準備と計画的な実行が不可欠となります。削除後30日で全データが完全に消去される仕様を理解し、適切な対処を行うことが求められます。

削除前に必ずバックアップすべきデータと保存方法

LINE公式アカウントを削除すると、蓄積してきた貴重なデータが失われます。

分析データは削除後30日間は閲覧可能ですが、それ以降は完全に消去されます。友だち数の推移、メッセージ開封率、クリック率などの数値は、今後のマーケティング戦略立案において重要な資産となるため、スクリーンショットやデータエクスポートにより保存しておく必要があります。

友だちリストについても同様の注意が必要です。チャット画面で確認できる顧客とのやり取りや、重要な連絡先情報が含まれている場合、これらも削除と同時にアクセス不可能となります。特に重要な顧客情報は、テキストファイルなどに転記して保管することが重要です。

リッチメニュー画像やクーポン、ショップカードの設定情報も削除により失われます。これらのコンテンツは再利用の可能性があるため、画像はダウンロード、設定内容はメモとして記録しておくことが望ましいでしょう。

有料プランを利用している場合、請求関連情報も30日後には確認できなくなります。経理処理や税務申告で必要となる可能性があるため、利用明細はPDF保存やスクリーンショットで確実に保管しておく必要があります。

これらのバックアップ作業は、削除実行前または削除後30日以内に必ず完了させなければなりません。期限を過ぎれば、どれほど重要なデータであっても復元は不可能となります。

友だちへの事前告知と代替連絡手段の準備

公式アカウントの削除を利用者に事前告知することは、企業の信頼性維持において極めて重要です。

削除予定日の少なくとも1週間前には、登録者全員に向けて告知メッセージを配信する必要があります。告知内容には、削除予定日の明確な日付、可能な範囲での削除理由、そしてもっとも重要な代替連絡手段の案内を含めます。

代替手段として、新しいLINE公式アカウントへの移行、ほかのSNSプラットフォーム、公式ウェブサイト、メールマガジンなどの選択肢を明示することが大切です。特に新アカウントへの移行を促す場合は、QRコードや友だち追加用URLを掲載し、スムーズな移行を支援します。

連携サービスを利用していた場合、ECサイトの注文確認や予約システムなどが使用できなくなることも併せて告知します。これらのサービスの代替方法も具体的に案内し、利用者の混乱を最小限に抑える配慮が必要です。

告知を怠ると、突然連絡が取れなくなったという印象を与え、企業イメージの低下を招く可能性があります。最後まで丁寧な対応を心がけることで、顧客との良好な関係を維持したまま移行を完了できます。

削除に伴う料金面での注意事項

LINE公式アカウントの削除タイミングによっては、無駄な費用が発生する可能性があります。

有料プランは月額課金制であり、月の途中で削除しても日割り計算による返金は行われません。例えば月初に削除した場合でも、その月の料金は満額請求されるため、削除は月末に実行することが経済的です。

追加メッセージ料金についても注意が必要です。月間上限を超えて配信した分の料金は、アカウント削除後も請求されます。削除予定月は配信量を調整し、追加料金の発生を避けることが賢明です。

プレミアムIDをiOS版アプリ経由で購入している場合、特別な注意が必要です。アカウント削除だけではAppleの定期購読は停止されないため、別途App Storeでサブスクリプションの解約手続きを行わなければ、削除後も年額料金が継続的に請求されるおそれがあります。

これらの料金面での配慮により、不要な出費を避けることができます。削除実行日を慎重に選定し、関連する課金サービスの解約も忘れずに行うことが重要です。

Web版:削除実行の手順

パソコンのLINE Official Account ManagerのWeb版から削除する手順は以下のとおりです。

管理画面にログイン後、画面右上の設定をクリックし、設定画面を開きます。ページを下部までスクロールすると、赤字で表示された「アカウントを削除」のリンクが確認できます。

このリンクをクリックすると、削除に関する注意事項がポップアップ表示されます。内容を十分に確認し、理解した上で同意チェックボックスにチェックを入れます。

最終確認として「アカウントを削除」ボタンをクリックすることで、削除処理が実行されます。削除完了後は、管理画面のメニューが分析と利用状況のみに制限され、ほかの機能は使用不可能となります。

削除処理は即座に反映され、取り消しはできません。実行前に再度、必要なデータのバックアップが完了していることを確認することが重要です。

アプリ版:削除実行の手順

スマートフォンのLINE Official Accountアプリからの削除も可能です。

管理アプリを起動し、削除対象のアカウントにログインします。ホーム画面から設定をタップし、続いてアカウントを選択します。

アカウント設定画面を最下部までスクロールすると、赤字で「アカウントを削除」の項目が表示されます。これをタップし、表示される注意事項を確認します。

内容に同意する場合は、チェックボックスにチェックを入れ、「アカウントを削除」ボタンをタップします。Web版同様、この操作により即座に削除が実行されます。

アプリ版で削除した場合も復元は不可能です。また、プレミアムIDを購入していた場合は、別途ストアでの解約手続きが必要となることを忘れてはいけません。

削除を実行する前に検討すべきこと

LINE公式アカウントの削除は最終手段として位置づけるべきです。多くの場合、削除以外の方法で問題を解決できる可能性があり、安易な削除は貴重な資産の喪失につながります。削除を決断する前に、代替案を十分に検討することが重要です。

アカウント権限の変更・引き継ぎ方法

運用担当者の交代によりアカウント削除を検討している場合、権限管理機能を活用することで解決できます。

管理画面の権限管理メニューから、新しい担当者をメンバーとして追加できます。LINEビジネスIDまたはメールアドレスを使用して招待し、適切な権限レベルを設定します。

旧担当者の権限は、メンバーリストから削除することで無効化できます。ただし、アカウント開設時の主管理者は削除できない仕様となっているため、この点は留意が必要です。

主管理者の完全な交代が必要な場合でも、新管理者を追加して実質的な運用を引き継ぐことで対応可能です。アカウント自体を削除する必要はなく、蓄積された友だちリストやデータを維持したまま運用を継続できます。

担当者の交代は企業において頻繁に発生する事象です。そのたびにアカウントを削除していては、顧客との関係性構築において大きな損失となります。権限管理機能を適切に活用し、スムーズな引き継ぎを実現することが望ましいでしょう。

特定機能の停止・制限で対応できるケース

運用上の課題が削除の理由である場合、機能の調整で解決できる可能性があります。

チャット対応が負担となっている場合、チャット機能をオフにすることで、一方向の情報配信専用アカウントに変更できます。またはチャットボットツールを導入し、自動応答により担当者の負担を軽減する方法もあります。

配信効果が上がらない場合は、外部の配信支援ツールやマーケティング自動化サービスの活用を検討してみましょう。セグメント配信や効果測定の機能強化により、運用効率が大幅に改善される可能性があります。

コスト面が課題の場合、フリープランへのダウングレードという選択肢があります。月額料金なしでアカウントを維持でき、友だち数や配信数によっては十分な運用が可能です。

ブランド変更の場合も、既存アカウントのプロフィール情報を更新することで対応できます。新規アカウントを作成すると友だちをゼロから集め直す必要がありますが、既存アカウントの更新なら現在の友だちにそのままリーチできます。

これらの代替策を検討することで、削除という取り返しのつかない決断を避けられる可能性があります。

削除後の影響と復活の可否

LINE公式アカウントの削除は、完全に不可逆的な操作であることを理解しておく必要があります。

削除を実行すると、友だち側からは即座にアカウントが消失し、過去のトーク履歴も閲覧できなくなります。メッセージを送信しようとしても、利用できないアカウントとして表示されます。

運用者側では、削除直後から配信やチャット機能が使用不可能となり、30日後には分析データを含むすべての情報が完全に消去されます。いかなる方法でもデータの復元は不可能です。

友だちリストという貴重な顧客接点を失うことの影響は計り知れません。新しいアカウントを作成しても、旧アカウントの友だちが自動的に移行されることはなく、一から関係を構築し直す必要があります。

削除の撤回や一時停止といった機能は存在しません。削除操作は即座に実行され、後悔しても取り消すことはできません。プレミアムIDも再取得が必要となり、同じIDが他者に取得される可能性もあります。

これらの影響を十分に理解し、本当に削除が唯一の選択肢なのかを慎重に判断することが重要です。

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まとめ:削除は慎重に、事前準備は入念に

LINE公式アカウントの削除は、利用者にとっても運用者にとっても重大な決断です。利用者は適切な手順により不要なアカウントを整理できますが、運用者は削除により失うものの大きさを十分に認識する必要があります。

特に運用者の方で、運用負担やコスト面から削除を検討している場合は、削除の前にLINEマーケティング支援ツールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。「hachidori」は、プログラミング不要で導入でき、セグメント配信や自動応答、分析機能などを備えたツールです。専任担当者による伴走支援もあるため、初めてでも安心して運用を改善できます。

削除は最終手段として位置づけ、可能な限り代替策を検討し、やむを得ず削除する場合は万全の準備を整えてから実行することが、後悔のない選択につながります。

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