UX/UIを改善することは、顧客満足度やロイヤリティ向上につながる重要な要素のひとつです。ユーザーにポジティブな体験を提供すれば、口コミや評判が広がり、新たなユーザーを惹きつけられるでしょう。
マーケティング担当者のなかには、「UX改善の成功事例が知りたい」「悪い例や実施のポイントは?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、UX/UI改善における成功事例や、良い例・悪い例、UX改善プロセス、改善のポイントなどについて解説します。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?
UXとは、ユーザーがある製品やサービスを使用する際に得る体験のことです。おもに、ユーザーが製品やサービスを体験する際の感情や満足度、使いやすさなどが含まれます。
また、UXはユーザーの感情や行動にも深く関わっており、良いUXを提供することで、ユーザーは快適で効率的な体験を得ることができます。
UX改善はユーザーとの関係性構築やビジネスの成果に直結するため、企業にとって重要な取り組みのひとつです。
UXデザインの良い例・悪い例
UXデザインの良い例は、ユーザーに心地よい体験を提供し、好印象を与えた結果さらなる継続利用や購入が生じる状態です。
良いUXを持つ製品やサービスは、ユーザーのニーズや目標を理解し、それに合わせた使いやすいインターフェースを提供します。
一方、悪いUXデザインの例は、ユーザーの視点に立たずに企業の利益だけを追求するものです。ユーザーが不満やストレスを感じることで、製品やサービスの利用をやめてしまったり、競合他社の選択肢に流れてしまいます。
UX/UI改善の成功事例5選
ここからは、企業におけるUX/UI改善の成功事例を5つ解説します。
1. フェリシモ|パスワードリマインダーの改善
ファッションや雑貨を販売するECサイト「フェリシモ」では、パスワードリマインダーを改善し、ユーザーの離脱防止に成功しました。
同社ではDMの送付で休眠顧客の活性化・販売促進を行っていたものの、ユーザーがうまくログインできずに離脱される事象が生じていることが発覚。
原因となっているパスワードリマインダーの改善に着手したところ、年間1万人以上の離脱防止に成功。ユーザーとの接触ポイントを見直すことで、成果につながった事例と言えます。
2. SmartNews|興味を惹くアニメーションの実装
大手ニュースアプリ「Smart News」では、ユーザーの「プッシュ通知の許可が得られない」という課題がありました。
本来、Smart Newsは興味のあるチャンネルを登録すれば、ニュースをプッシュ通知で配信するアプリです。
ただ通知の許可画面を表示するのではなく、ユーモアのあるアニメーションによって興味を惹かせることで、通知を受け取るメリットをアピールしました。
さらにデザインやカラースキームの変更を行い、利用者の継続率アップとアンインストール率の低下に成功しています。
3. FABRIC TOKYO|気軽なオーダーメイド体験を提供
ビジネスウェアのオーダーメイドサービス「FABRIC TOKYO」では、サイズ測定の手間を軽減することで、顧客体験の向上を成功させました。
サイズ測定にかかる時間は30〜60分程度で、一度測定するとクラウドに保存される仕組みに。その場でオーダーしなくてもよいため、必要なときに自分に合ったビジネスウェアを購入できます。
毎回スーツを購入するために手間をかける必要がなくなり、オーダーメイドスーツを手軽に提供できるようになりました。
4. Coke ON|スタンプを貯めてドリンクを交換できるUXを提供
コカ・コーラの公式アプリ「Coke ON」では、自動販売機と接続してドリンクを購入すると、スタンプが集められるサービスを提供しました。
CokeONで15個スタンプを貯めると、好きなドリンク1本がプレゼントされるというUXです。また、近くにCokeON対応自動販売機があるときにはプッシュ通知にてお知らせしています。
スタンプを貯めるゲーム性、ドリンクを交換できる喜びといったポジティブな体験を得られ、コカ・コーラに対するイメージ向上にもつながっています。
5. ガリバー|一人ひとりのニーズに合わせた訴求
中古車販売店「ガリバー」では、Webサイト上で相談予約から実店舗で車を購入してもらう流れで販売しており、いかに相談数を増やすかが課題でした。
そこでサイトに訪れるユーザーを分析し、下記のようにパターンを分けてサービスを訴求しました。
相談予約のためにサイトに訪問したユーザー:予約用ボタンで訴求
- 相談予約のためにサイトに訪問したユーザー:予約用ボタンで訴求
- 初心者向けページを閲覧しているユーザー:車探しをサポートする訴求
- 車種のページを見ているユーザー:車種選びをサポートする訴求
ニーズに合わせて訴求することで、ユーザーが迷うことなくスムーズに行動できるようになり、ユーザーにやさしい導線設計が成果につながっています。
6.ちばぎんアプリ
千葉銀行株式会社(以下、千葉銀行)は、『ちばぎんアプリ』のユーザー体験を向上させるために、競合調査に基づいた情報設計の再構築を行ったことで、UXの改善を行いました。
銀行という少し一般的な業界よりも固いイメージを払拭し、ユーザーフレンドリーなアプリを目指すことを重要視しています。
- 「金融は制約だらけで古く、堅い」というイメージの払拭
- 「金融取引は、不便なもの」というイメージを覆すシンプルなユーザーフロー
再構築した情報設計を基に、ユーザーフレンドリーでデザインのトレンドを考慮したUIデザインを提案し、ユーザビリティを実際のユーザーの流入後のサイト回遊をデータとして取得、改善施策を行うことで、構築したUIデザインが本当にユーザーにとって使いやすいかどうかを明らかにしました。
▼下記の資料では、UX/UI改善に役立つWeb接客ツールの導入ポイントや、さまざまな業種の成功事例をわかりやすく解説しています。
自社サイトを運用するにあたって、Web接客ツールの導入を検討しているものの「具体的な成果がイメージしづらい」とお感じの方は、ぜひ下記の資料をダウンロードして、自社サイトの改善にお役立てください。
UX改善プロセス・流れ
ここからは、UXを改善する際の具体的な流れについて解説します。
1. 流入経路を調査する
まずはじめに、ユーザーの流入経路を調査して、どのように自社商品やサービスと接点を持ったかを洗い出しましょう。
たとえば、検索エンジンやSNS、口コミ、広告など、ユーザーがどの経路で自社商品・サービスを発見したかを明らかにします。
店舗であれば、チラシを見たのか、口コミを参考にしたのか、たまたま店の前を通って入ったのかなど、どのように自社商品・サービスに辿り着いたかを調査しましょう。
2. 解決すべき課題を抽出する
自社商品・サービスとユーザーの接点を把握したら、解決すべき課題を可視化します。
ユーザーが自社の商品やサービスを発見して利用し、継続利用するまでの流れを把握するには、カスタマージャーニーマップを作成するのが一般的です。
カスタマージャーニーマップによって、ユーザーのニーズや行動、直面する課題、感情などを時系列に沿って可視化することができます。
3. 商品・サービスとの接点を改善する
ユーザーとの接点を改善するために、商品やサービスとの接触ポイントを見直します。
例えば、Webサイトの場合、ページの読み込み速度の向上やモバイルデバイスに最適化するなど、第一印象を良くするための改善を行います。
ユーザビリティテストやフィードバックを活用して、ユーザーがストレスなく快適に操作できる環境を提供しましょう。
4. ユーザー視点で商品・サービスを使ってみる
自社の商品やサービスをユーザーの視点で実際に使ってみることも重要です。
ユーザーの立場になって実際に商品やサービスを利用し、さまざまな角度から見直すことで、改善のポイントや問題点を発見することができます。
難しい場合は、アンケートやインタビューなどの調査手法を使用して、ユーザーの意見やフィードバックを収集するのも有効です。
5. ユーザーが求める改善を繰り返す
ユーザーのニーズや要望が明確になったら、具体的な改善を繰り返していきます。
ユーザーテストやプロトタイプの作成を通じて、改善策の成果を分析し、必要に応じてデザインや機能の調整、修正を行いましょう。
これらのプロセスは継続的に実施する必要があり、顧客のフィードバックやマーケットの変化に応じて、UXの改善を行うことが大切です。
▼下記の資料では、UX/UI改善のプロセスや実施ポイントをわかりやすく解説しています。
・UX/UIを改善するプロセス
・UX改善を成功させるポイント
・UX/UI改善の成功事例
デジタルマーケティングにおける顧客対応がますます重要性を増している今、UX/UI改善の改善が必要不可欠です。
もし「UX改善の具体的なプロセスが分からない」や「考え方や改善のポイントを詳しく知りたい」とお考えの方は、ぜひ下記の資料ダウンロードして、自社サイトの改善にお役立てください。
UX改善を実施する際のポイント
良いUXデザインを実現するためには、下記のポイントを意識しましょう。
- 製品(モノ)ではなく体験(コト)を売る
- 一人ひとりのニーズに着目する
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
製品(モノ)ではなく体験(コト)を売る
UXデザインでは、製品やサービスを提供するだけでなく、ユーザーが製品やサービスを利用する際の体験に重きを置くことが大切です。
単に機能やデザインを改善するだけでなく、ユーザーが使うことによって得られる満足感や喜びを追求しましょう。
ユーザーが製品を使うことで得られる体験が良いものであれば、製品やサービスへの満足度が高まり、良い口コミやリピーター獲得につながります。
一人ひとりのニーズに着目する
UXの改善においては、一人ひとりのユーザーニーズに着目することが重要です。
ユーザーごとにパーソナライズした体験を提供することで、ユーザーは自分に合った体験を得ることができ、満足度が高まります。
たとえば、ユーザーの好みや過去の行動に基づいて推奨コンテンツを表示する、ユーザーの利用状況に応じてカスタマイズ可能な設定を提供するなどの方法があります。
▼下記の資料では、Webサイトの離脱率の主な原因とユーザーに満足してもらうためのサイト構造についてをわかりやすく解説しています。
・離脱率の改善方法
・UX/UIの観点から見るサイト回遊を高める方法
・Webサイトの回遊率を高めるためのおすすめツール
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UX/UI改善なら「CODE Marketing Cloud」
UX向上を図るには、ユーザーの多様なニーズを把握し、個々のユーザーに対してパーソナライズした最適な体験を提供することが大切です。
Web接客ツール「CODE Marketing Cloud」では、サイト内の行動データをもとに、ユーザー一人ひとりに最適なWeb接客を行うことができ、ユーザーの行動を促進できます。
さまざまな業界に対応したテンプレートはもちろん、オリジナルのポップアップを作成して使い分けることもでき、埋め込みや追従メニューで導線を作ることも可能。
UX改善やCVR向上に取り組みたい方は、ぜひ「CODEMarketing Cloud」の導入をご検討ください。
UXを改善してLTV向上を図ろう
UXの改善は、顧客満足度の向上や継続的な利用、口コミなどにつながります。これによって、売上や収益性の向上、維持のコスト削減なども期待できるでしょう。
また、競争力のある市場で良いUXデザインは大きな差別化要素となり、ユーザーが自社の製品やサービスを選ぶ動機付けにもなります。
総合的に見て、UXを向上させることは、ユーザーと企業の双方にとって有益な結果をもたらすと言えるため、積極的にPDCAを回しUX改善に取り組みましょう。