デジタル時代において、WEBサイトからの顧客の獲得をを収めるためには、優れたユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)が不可欠です。
しかし、単に優れたデザインを提供するだけでは十分ではありません。変化するユーザーのニーズと要求に合わせてUI/UXを改善し続けることが重要です。
その際に有用なのが、UI/UX改善を行う際に一定の成果を出しやすい「フレームワーク」を活用することです。UI/UXの向上にPDCAサイクルを活用する方法に焦点を当てながら、具体的な改善アクションを実行するために、適切なフレームワークの選択が重要です。
そこでこの記事では、3つの優れたUI改善フレームワークを紹介し、PDCAサイクルの適用方法について解説します。
「UIの改善を任されたけど何から始めればいいのかわからない…」
「UXの改善で成果を出したいけどどんな課題をどう解決すれば良いのかわからない…」
上記のお悩みをお持ちの方はぜひご参考ください。
UI改善の目的とは?
まずUIを改善するフレームワークを確認するまえに、UIを改善する目的と役割を確認しましょう。
UI(ユーザーインターフェース)改善の主な目的は、ユーザーがウェブサイトやアプリケーションを効果的かつ快適に操作できるようにすることで「サイト運用の目的を達成しやすくすること」です。
UIの改善は多くの場合ユーザーに焦点を当てているケースが多いですが、ユーザーのサイト内体験を高めることで結果的にWEBサイトを運用する目的が達成されなければ、UI改善の意味はありません。
具体的なUIとは、ユーザーがデジタル製品と対話する際の外観や操作性を指し、ボタン、メニュー、フォームなどの要素のことです。
これらの操作性の改善により、ユーザーはWEBサイト上で情報が見つけやすくなることはもちろん、WEBサイト上でユーザーの検索モチベーションや検索体験を向上させることで、サービスの認知が広がり、サービスに対してのポジティブなイメージを持ちやすくなるでしょう。
それにより結果的に、CV数の増加やお問い合わせの増加に繋がります。
UIとUXの違いは?
UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は、デジタルプロダクトの設計において密接に関連していますが、異なる意味を持ちます。
UIは主に外観や操作性に焦点を当てます。そのためUIの改善はユーザーが直接操作する要素(ボタン、メニュー、フォームなど)をデザインし、その外観や配置によってユーザーの操作性を向上させることを指します。
一方、UXはユーザーがデジタルプロダクトを使用する際の全体的な使用・閲覧体験に関連しています。
UXは、ユーザーがプロダクトをどのように感じ、どのような感情を抱くかを考慮する必要があります。使いやすさ、便利さ、満足度などがUXの要素として挙げられます。
つまり、UIはデザインや操作性に関わる要素であり、UXはユーザーが全体的な体験を通じて感じる印象や満足度を指します。
つまり、優れたUIは良いUXを支えると言え、UXがどれだけ優れていても、UXの良さがデザインや操作性などのユーザーに視覚的に伝わる部分に不満が発生すれば多くの機会損失が発生してしまいます。
▼下記の資料では、UX/UI改善のプロセスや実施ポイントを、わかりやすく解説しています。
・UX/UIを改善するプロセス
・UX改善を成功させるポイント
・UX/UI改善の成功事例
デジタルマーケティングにおける顧客対応がますます重要性を増している今、UX/UI改善の改善が必要不可欠です。
もし「UX改善の具体的なプロセスが分からない」や「考え方や改善のポイントを詳しく知りたい」とお考えの方は、ぜひ下記の資料を自社サイトの改善のチェックシートとしてお役立てください。
UI/UX改善のフレームワーク|3つ
UI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーとサービスや製品とのやりとりを支える重要な要素です。
UIの改善は、ユーザー体験の向上やビジネスの成果に直結することがあります。しかし、UIを改善するためには、どのような指標や方法を用いるべきかが明確でないと、効果的な施策を打ち出すことが難しくなります。
そこで、この記事では、UI改善に役立つフレームワークを3つ紹介します。
これらのフレームワークを使えば、UIの現状を分析し、目標を設定し、改善策を実行し、効果を測定することができます。それでは、それぞれのフレームワークについて見ていきましょう。
HEART フレームワーク
HEART フレームワークは、Googleが提唱したUI/UX改善のための指標セットです。HEARTは以下の5つの要素から構成されています。
Happiness(幸福感)
ユーザーがサービスや製品に対して感じる満足度や好感度などの感情的な側面を測る指標です。
実際にWEBサイトを見て、ユーザーが持つ課題や悩みに対してその悩みを解消できることを期待させてくれるような、安心感のあるデザインかどうかを心がけましょう。実際にサイトやプロダクトの使いやすさなどを直接ユーザーから聞き出す際は、アンケートやNPS(ネット・プロモーター・スコア)などを活用するのもおすすmです。
Engagement(エンゲージメント)
ユーザーがサービスや製品にどれだけ関与しているかを測る指標です。例えば、訪問回数や滞在時間や行動数などがあります。サイトのデザインや使いやすさはサイトのエンゲージメントに強く影響します。
もし、サイト改善を行う際はいきなり大幅に改修を行うのではなく「なぜ現状のWEBサイトで成果がでにくいのか」の仮説をサイトデザインや操作性に映しながら、部分ごとに改修を行い、施策の効果を追うことをおすすめします。
Adoption(採用)
ユーザーがサービスや製品を初めて使うかどうかを測る指標です。例えば、新規登録数や初回利用率などがあります。サイト上ではこれらの指標はCVRやCTAのクリック率(CTR)などで測ることが可能です。
Retention(維持)
ユーザーがサービスや製品を継続して使うかどうかを測る指標です。例えば、再訪問率や離脱率や継続利用率などがあります。
Task success(タスク成功)
ユーザーがサービスや製品で目的を達成できるかどうかを測る指標です。例えば、正解率や完了率や効率性などがあります。WEBサイトでは、ページごとにユーザーの検索意図や流入した目的が達成されなければ、離脱率や直帰率に悪影響を与えてしまいかねません。
常にWEBサイト・WEBページのデザインや操作性は流入したユーザーの目的を達成させる補助ができているかを考え改善を行いましょう。
HEART フレームワークでは、これらの要素の中から自分のサービスや製品に最も関連するものを選び、それに基づいてUI改善の目標と施策を立てます。
また、HEART フレームワークは、次に紹介するGoals-Signals-Metricsプロセスと組み合わせて使うことでより効果的になります。
Goals-Signals-Metricsプロセス
Goals-Signals-Metricsプロセスは、HEART フレームワークで選んだ要素に対して具体的な目標と指標を設定するためのプロセスです。
Goals-Signals-Metricsプロセスでは、以下の3つのステップを踏みます。
1.Goals(目標)
UI/UXの改善で達成したいことを明確に定義します。例えば、「ユーザーの満足度を向上させる」や「ユーザーの継続利用率を高める」などがあります。WEBサイト運用の目的や、WEBサイト改善の目標を明確に決めた上で、これらの目標を定めましょう。
2.Signals(シグナル)
目標を定めた後は、目標を達成するために影響を与える要因を特定します。
例えば以下のような目的別に、目標に対しての影響を与える要因を仮説立てられるでしょう。
- 「ユーザーの満足度を向上させる」→「デザインの魅力性」や「操作性の快適さ」を強化する。
- 「ユーザーの継続利用率を高める」→「価値提案の明確さ」や「コンテンツの充実度」を向上させる。
- 「サービスの詳細情報を知ってもらう」→「サービスの詳細情報を増やす」「サービス情報をユーザーに適した形にカスタマイズする」
上記のように、WEBサイトを改修する目的に合わせて、目標を達成させる要素に対しての改善案を考えましょう。
3.Metrics(指標)
上記の改善案ができれば、実際に改善案を「指標」に置き換え定量化します。
例えば、「デザインの魅力性」なら、「ビジュアルデザインの評価スケール」や「色彩の好み度」などがあります。「操作性の快適さ」なら、「タスク完了時間」や「エラー発生率」などがあります。
改善案は、数値化し具体的にどのように改善し、改善後どのような結果をもたらすのかを数値として定義することで、より改善結果とそのプロセスを明確にできるでしょう。
Goals-Signals-Metricsプロセスでは、これらのステップを繰り返し行うことで、UI改善の目標と指標をより精緻に設定することができます。また、Goals-Signals-Metricsプロセスは、前に紹介したHEART フレームワークと組み合わせて使うことでより効果的になります。
サービス・ブループリント
サービス・ブループリントとは、サービスの提供過程を可視化するための考え方のひとつです。先述したUI改善のフレームワークとはすこし異なりますが、プロダクト視点でUIの改善を実行する際には、意識して起きたいフレームワークと言えるでしょう。
サービス・ブループリントを作成することで、サービスの目的・利用者のニーズ・接点(タッチポイント)・裏側の仕組み(バックステージ)などを明確にし、サービスの品質や効率を向上させることができます。
サービス・ブループリントは、以下の5つの要素から構成されます。
1.カスタマージャーニー
利用者がサービスを利用する際に経験する一連の行動や感情です。カスタマージャーニーは、前段階(事前)、中核(実施)、後段階(事後)の3つのフェーズに分けられます。
2.接点(タッチポイント)
利用者がサービスと直接的または間接的に触れ合う場面や要素です。例えば、ウェブサイト、アプリ、店舗、電話、メールなどがあります。
3.観察線(ラインオブビジビリティ)
接点と裏側の仕組みを分ける線です。観察線の上にあるものは利用者に見えるものであり、下にあるものは見えないものです。
4.裏側の仕組み(バックステージ)
サービスを提供するために必要な人や物やプロセスなどです。例えば、従業員、パートナー、システム、データベースなどがあります。
5.サポートプロセス
裏側の仕組みを支えるために必要な活動やルールなどです。例えば、採用、研修、評価、報酬などがあります。
サービス・ブループリントは、UI改善だけでなく、サービス全体の改善にも役立ちます。サービス・ブループリントを作成することで、利用者の視点からサービスを理解し、より良いサービス体験を提供することができます。
▼下記の資料では、Webサイトのシナリオ設定の仕方を、わかりやすく解説しています。
・Web接客におけるシナリオとは?
・Web接客でシナリオ設計する理由や効果
・Web接客のシナリオ設計手順
デジタルマーケティングにおける顧客対応がますます重要性を増している今、Web接客を導入しようとお考えの方は、ぜひ下記の資料を自社のWebサイト設計や改善のチェックシートとしてお役立てください。
UI/UXの改善はWEBマーケティングのKPIの数値変動で確認しよう
UI/UXの改善は、Webマーケティングにおいて重要なKPIの1つです。WebサイトのUI/UXを改善することで、ユーザーがサイトに滞在する時間が長くなり、コンバージョン率が向上する可能性があります。
UI/UXの改善によって、ユーザーがサイトに滞在する時間が長くなることで、WEBサイトのSEOの順位上昇に貢献する可能性もあります。また、ユーザーがサイトに滞在する時間が長くなり、多くのページを閲覧することで、コンバージョン率(CVR)が向上する可能性があります。
Webサイトのコンバージョン率は、Webマーケティングにおいて重要なKPIの1つです。Webサイトのコンバージョン率を向上させることで、ビジネス成果を上げることができます。
以上のように、UI/UXの改善はWebマーケティングにおいて重要なKPIの1つであり、Webサイトのコンバージョン率やSEOのランキングを向上させるために必要不可欠な指標と言えるでしょう。
そこで、UI/UXの改善におすすめしたいのがCODE Marketing Cloudです。
「WebサイトのUI/UXを改善したい」「デジタル広告の成果を改善したい」「サイトからの成約率を伸ばしたい」など、Webサイトにおける課題は多くあります。
CODE Marketing Cloudでは、このような悩みに対して、オリジナルのCXデータ・ノウハウをもとに、最適な改善策を提供します。
UI/UXの重要性は理解したけど、自社のどこに課題があり、その解決方法がわからないという方は、ぜひCODE Marketing Cloudを利用ください。最適な解決方法を提供し、商品やサービスの売上向上をサポートします。