CDPとは(Customer Data Platform:カスタマー・データ・プラットフォーム)の略で、顧客データを一元管理するプラットフォームのことです。
CDPを導入することで、マーケティングにおいて、主に以下の3つのメリットがあると考えられます。
- 顧客の行動や属性をリアルタイムに把握できる
- 顧客に合わせたパーソナライズドなコミュニケーションができる
- 顧客のライフタイムバリューを高めることができる
これらのメリットは、企業のマーケティング活動において、欠かすことのできない重要な要素です。
そこで今回は、CDPの役割や目的、メリットについて詳しく解説します。CDPを活用して、効果的なマーケティングを実現したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)とは?
CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)とは、さまざまなソースから顧客のデータを収集し、統合し、分析し、活用できるソフトウェアのことです。
CDPは、顧客の属性や行動、購買履歴などのファーストパーティ・データを中心に、セカンドパーティ・データやサードパーティ・データも取り込みながら顧客データを一元的に管理し、個別の顧客プロファイルを作成するのが特徴です。
これにより、マーケティングやカスタマーサービスなどの業務において、顧客に合わせたパーソナライズやセグメンテーションが可能となります。
CDPの主な機能4つ
CDPの機能は、大きく分けて以下の4つに分類できます。
1.データ収集機能
CDPでは、さまざまなソースから顧客のデータをリアルタイムに収集できます。
ソースには、ウェブサイト、アプリ、メール、SNS、CRM、POS、広告プラットフォームなどがあります。
CDPは、顧客のデータをファーストパーティ・データ、セカンドパーティ・データ、サードパーティ・データに分類し、データの種類や形式に応じて適切に処理することが可能です。
2.データ統合機能
CDPでは、収集した顧客のデータを一元的に管理できます。
CDPは、顧客のデータを識別し、重複や不整合を排除し、正確な顧客ビューを提供します。そして、顧客のデータを個別の顧客プロファイルとして作成し、顧客の属性や行動、購買履歴などの詳細な情報を保存することが可能です。
3.データ分析機能
CDPでは、統合した顧客のデータを分析できます。
CDPは、顧客のデータを基に、顧客のニーズや嗜好、価値、セグメント、ライフサイクルなどを把握します。
そして、顧客のデータを可視化し、ダッシュボードやレポートなどの形で表示することが可能です。
このように、CDPは顧客のデータに基づいて、予測や推薦などのインサイトを提供します。
4.データ活用機能
CDPでは、分析した顧客のデータを活用します。
また、顧客のデータを他のシステムやプラットフォームと連携し、データの活用範囲を広げることが可能です。
CDPは、顧客のデータをマーケティングやカスタマーサービスなどの業務に応用し、顧客に合わせたパーソナライズやセグメンテーションを実施します。また、顧客のデータを保護し、データプライバシーの規制やポリシーにも準拠するのが特徴です。
このように、CDPは、顧客のデータを収集し、統合し、分析し、活用することで、顧客との関係を強化し、ビジネスの成果を向上させることができるソフトウェアです。
CDPの特徴4つ
CDPの特徴は、以下のとおりです。
1.リアルタイム性
CDPは、顧客のデータをリアルタイムに収集し、更新し、反映することができます。これにより、顧客の最新の状況や変化に対応できます。
2.正確性
CDPは、顧客のデータを識別し、重複や不整合を排除し、正確な顧客ビューを提供します。これにより、顧客のデータの品質や信頼性を向上させます。
3.柔軟性
CDPは、顧客のデータを他のシステムやプラットフォームと連携し、データの活用範囲を広げます。CDPは、顧客のデータを様々な目的やシナリオに応じてカスタマイズできます。
4.合法性
CDPは、顧客のデータを保護し、データプライバシーの規制やポリシーに準拠します。CDPは、顧客の同意や許可を得て、データの収集や利用を行います。
CDPのメリット3つ
1.顧客の理解を深めることができる
CDPは、顧客のデータをリアルタイムに収集し、統合し、分析することで、顧客のニーズや嗜好、価値、セグメント、ライフサイクルなどを把握できます。これにより、顧客に合わせたパーソナライズやセグメンテーションを実施できます。
2.顧客との関係を強化することができる
CDPは、顧客のデータを活用することで、顧客のライフサイクルに沿った最適なタイミングやチャネルでコミュニケーションを行えます。これにより、顧客満足度やロイヤルティを向上させることができます。
3.ビジネスの成果を向上させることができる
CDPは、顧客のデータを基に、予測や推薦などのインサイトを提供することで、顧客のコンバージョンやリテンションを高めることができます。
また、CDPは、顧客のデータを効率的に管理し、データの品質や信頼性を向上させることで、データの活用コストを削減することも可能です。
CDPのデメリット2つ
1.データプライバシーの問題に直面する可能性がある
CDPは、顧客のデータを多く収集し、利用することで、顧客のプライバシーを侵害する恐れがあります。そのため、顧客の同意や許可を得て、データの収集や利用を行うことが重要です。
また、CDPは、データプライバシーの規制やポリシーに準拠する必要があります。これらの要件に違反すると、法的な制裁や顧客の信頼の損失などのリスクに直面する可能性があるため、十分な注意が必要です。
2.CDPの導入や運用には高いスキルやコミットメントが必要となる
CDPは、顧客のデータを収集し、統合し、分析し、活用するための高度な機能やサービスを提供するソフトウェアです。CDPの導入や運用には、データの管理や分析に関する高いスキルや知識が必要です。また、CDPの効果を最大化するには、組織全体のコミットメントや協力が必要です。さらに、CDPの導入や運用には、時間や費用などの投資も必要となるでしょう。
このように、CDPは、顧客のデータを収集し、統合し、分析し、活用することで、顧客との関係を強化し、ビジネスの成果を向上させることができるソフトウェアですが、一方で、データプライバシーの問題やCDPの導入や運用の難しさなどの課題もあります。
そこで、CDPを使う場合は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、慎重に判断することが重要です。
CDPと他のマーケティングツールとの違い
前述したように、CDPは顧客の個人データを収集・統合・一元管理するプラットフォームで、顧客の氏名やメールアドレスなどの個人情報や、購買履歴やWebサイトの閲覧履歴などの行動データを、一人ひとりの顧客に紐づけて管理できるのが特徴です。
CDPは、DMPやMA、CRMなどの他のマーケティングツールと連携して、データを提供したり活用したりすることができます。
DMP(Data Management Platform:データ・マネジメント・プラットフォーム)
DMPとは、匿名のWebユーザーのデータを収集・分析・活用するプラットフォームです。CookieやIPアドレスなどの匿名データを、ユーザーの属性や興味・関心に基づいてセグメント化し、オンライン広告の配信などに利用します。DMPは、自社が持つデータを活用するプライベートDMPと、外部から提供されるデータを活用するパブリックDMPに分けられます。
MA(Marketing Automation:マーケティング・オートメーション)
MAとは、マーケティングオートメーションの略で、見込み客の情報獲得から商談や契約につなげるまでの一連の流れを効率化できるツールです。
MAは、Webサイトやメールなどのチャネルを通じて、見込み客の行動や興味をトラッキングし、スコアリングやナーチャリングなどの施策を自動化します。
MAでは、CDPやCRMなどのデータを活用して、見込み客に最適な提案をすることが可能です。
CRM(Customer Relationship Management:カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
CRMとは、顧客関係管理の略で、顧客の情報や履歴を管理し、顧客満足度やロイヤルティを高めるためのツールです。
CRMは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などのデータを管理し、顧客対応や営業活動を支援します。
CRMでは、CDPやMAなどのデータを活用して、顧客との関係を強化できるのが特徴です。
CDPの導入方法とポイント
CDPを導入する方法は、以下の9ステップに分けられます。
- 構築・導入目的を明確にする
- 社内のデータを把握・整理する
- 既存システム・ツールを確認する
- ビジネス要件を決める
- 基盤設計を行う
- データ取得設計を行う
- データを取り込み、分類・加工する
- 各種ツールに連携する
- データを分析し、施策を立案・実行する
CDPの導入を成功させるポイントは、部署間で連携して導入を進めること、フォローアップ研修を行うこと、PDCAサイクルを回すことなどが挙げられます。
CDPの選び方と注意点
CDPを選ぶ際は、次のポイントに注意しましょう。
- 自社の導入目的や課題を明確にする
- 必要な機能やコストが適切かどうかを比較する
- 既存システムやツールとの連携がしやすいかどうかを確認する
- サポート体制やデータセキュリティが整っているかどうかを確認する
以下で、それぞれ詳しく解説します。
自社の導入目的や課題を明確にする
CDPの導入目的や課題は、顧客理解を深めたい、データの分析と迅速な意思決定をしたい、顧客体験の最適化をしたい、顧客データを一元管理したいなどが挙げられるでしょう。
そこで、自社にとってどの要素が重要かを見極めることが大切です。
必要な機能やコストが適切かどうかを比較する
CDPの必要な機能には、データ収集・統合・分析・アクション・品質管理などがあります。CDPのコストは、月額数十万円から数千万円以上とツールによって大きく異なります。また、利用者数やデータ量などによって料金が変動することがあるため、自社の事業規模や目的に合わせて導入することが重要です。
既存システムやツールとの連携がしやすいかどうかを確認する
CDPは、自社が持つデータを活用するために、さまざまなシステムやツールと連携する必要があります。
そこで、自社ですでに活用しているWebサイトやアプリ、基幹システム、MAやCRMなどとの連携が可能かどうかを確認しましょう。
サポート体制やデータセキュリティが整っているかどうかを確認する
CDPは、顧客の個人データを扱うため、セキュリティ対策が欠かせません。
そのため、CDPの提供元がデータ保護や暗号化などのセキュリティ対策を提供していることを確認する必要があります。また、サポート体制も重要ですので、トラブルが発生した場合に迅速な対応が得られるかどうかを確認しておきましょう。
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CDPのまとめ
このように、CDPは、顧客の氏名やメールアドレスなどの個人情報や、購買履歴やWebサイトの閲覧履歴などの行動データを、一人ひとりの顧客に紐づけて管理できる便利なツールです。
近年は、インターネットやITの普及により、より詳細な顧客管理が企業のマーケティングに必須となっています。
そこで、この記事を参考にして自社に合ったCDPを導入し、売上アップや顧客満足度の向上に役立ててください。
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