LINE公式アカウントのライトプランで月5,000通は足りる?料金と配信数から見る選び方

LINE公式アカウントの料金プランで悩む企業は多いでしょう。無料プランの200通では少なすぎる。かといって月額15,000円のスタンダードプランは予算的に厳しい。そんな中小企業にとって、月額5,000円のライトプランは魅力的な選択肢です。

しかし2023年6月の料金改定で、ライトプランの無料配信数は15,000通から5,000通へと大幅に減少しました。この変更により「本当に5,000通で足りるのか」という不安を抱く事業者も少なくありません。

実際のところ、月5,000通あれば多くの企業で十分な配信が可能です。本記事では、ライトプランで実現できる配信パターン、適している企業の特徴、さらに配信数を効率的に使うテクニックまで、プラン選びに必要な情報をお伝えします。

目次

ライトプランで月5,000通配信できる友だち数

ライトプランを検討する上でもっとも重要なのは、友だち数と配信回数の関係を正確に把握することです。月5,000通という上限の中で、どれだけの友だちに何回配信できるのか。

具体的な計算方法を示しながら、ライトプランが自社に適しているかを判断するための基準を解説します。

友だち1,000人なら月5回、2,500人なら月2回

ライトプランの月5,000通という配信数は、友だち数によって配信可能回数が大きく変わります。例えば友だちが500人の場合、月10回まで全員に配信できます。これは週2回以上の頻度で情報発信が可能ということです。

友だち数が1,000人になると月5回の配信が上限となり、週1回程度のペースになります。多くの企業では週1回の配信が標準的な頻度なので、1,000人規模までは十分に対応可能といえるでしょう。

一方、友だち数が2,500人を超えると月に2回しか配信できません。隔週での配信となるため、タイムリーな情報発信が難しくなる可能性があります。友だち数が増えてきた段階で、配信頻度とのバランスを考慮してプラン変更を検討する必要が出てきます。

実際の運用では、すべての友だちに毎回配信する必要はありません。後述するセグメント配信を活用することで、効率的な配信が可能になります。

配信頻度を決める計算方法

ライトプランで適切な配信頻度を決めるには、シンプルな計算式を使います。「5,000通 ÷ 友だち数 = 月間配信可能回数」この計算により、現在の友だち数で何回配信できるかが明確になります。

例えば、友だち数が800人の場合は「5,000 ÷ 800 = 6.25回」となり、月6回までの配信が可能です。ただし、友だち数は日々変動するため、余裕を持った計画が重要です。

配信計画を立てる際は、今後の友だち増加も考慮しましょう。毎月100人ずつ友だちが増える場合、3カ月後には配信可能回数が1回減る可能性があります。

また、キャンペーンやイベント時には通常より配信頻度を増やしたくなるものです。月初に配信スケジュールを決め、重要な配信に優先的に配信数を割り当てることで、月末に配信数不足に陥るリスクを回避できます。

無料プラン(200通)との配信可能数の差

無料のコミュニケーションプランは月200通という厳しい制限があります。友だちが100人いれば月2回しか配信できず、200人になると月1回が限界です。これでは効果的なマーケティング活動は困難でしょう。

ライトプランは無料プランの25倍となる5,000通まで配信可能です。この差は単純な数字以上の意味を持ちます。週1回の定期配信が可能になることで、顧客との継続的な関係構築ができるようになります。

無料プランからライトプランへの移行を検討すべきタイミングは、友だち数が50人を超えた時点です。50人に週1回配信すると月200通となり、無料プランの上限に達してしまいます。

月額5,000円の投資により、配信の自由度が格段に向上します。特に飲食店や美容院など、リピート促進が重要な業種では、この投資対効果は十分に見込めるでしょう。

ライトプランを選ぶべき企業

ライトプランは友だち数500~2,000人規模の企業に最適なプランです。しかし、単に友だち数だけで判断するのは早計でしょう。

業種や配信内容、顧客との関係性によって最適なプランは変わります。実際の活用事例を交えながら、ライトプランが効果を発揮する企業の特徴と、プラン変更を検討すべきタイミングを明らかにします。

友だち数500~2,000人の中規模アカウントに最適

ライトプランは友だち数500~2,000人の企業に最適です。この規模であれば、週1回から月2回の配信頻度を維持でき、顧客とのコミュニケーションを適切に保てます。

友だち数500人の場合、月10回まで配信可能なので、週2回の配信も余裕です。新商品の案内や期間限定キャンペーンなど、タイムリーな情報発信ができます。また、配信数に余裕があるため、ターゲットを絞った配信テストも実施できます。

友だち数が1,000人を超えても、月5回の配信が可能です。多くの企業では週1回程度の配信が標準的であり、この頻度なら顧客を飽きさせることなく、適度な接触頻度を保てます。

2,000人に近づくと月2.5回の配信となりますが、隔週配信でも十分な効果を期待できる業種もあります。高額商品を扱う企業や、購買サイクルが長い商材では、むしろ適度な配信頻度といえるでしょう。

飲食店・美容院・小売店での活用事例

飲食店では、ライトプランを活用して効果的な集客を実現できます。ある友だち数800人の居酒屋では、週1回の配信で月間売上が20%向上した事例があります。金曜日の昼に週末の予約を促すメッセージを配信することで、週末の稼働率が大幅に改善しました。

美容院の場合、友だち数1,200人でも月4回の配信で十分な効果を発揮します。月初にその月のキャンペーン情報、中旬に予約の空き状況、月末に来月の新メニュー案内という配信パターンで、リピート率が15%向上した店舗もあります。

ある小売店では、友だち数1,500人で月3回の配信を基本としています。セール情報、新商品入荷、ポイント倍増デーの案内を計画的に配信することで、来店頻度の向上につながっています。

これらの事例に共通するのは、配信内容と頻度のバランスが取れている点です。ライトプランの制限を逆手に取り、本当に価値のある情報だけを厳選して配信することで、開封率と反応率の向上を実現しています。

ライトプランでは物足りなくなる3つのサイン

ライトプランの限界を感じる明確なサインがあります。第一に、月末になると配信数が足りなくなるケースです。計画的に配信していても、突発的なイベントやキャンペーンで配信数を使い切ってしまう場合は、プラン変更を検討すべきタイミングです。

第二のサインは、友だち数が2,500人を超えた時点です。この段階では月2回しか全員配信ができなくなり、競合他社と比べて情報発信の頻度で劣る可能性があります。特に飲食店や小売店など、頻繁な情報更新が必要な業種では致命的です。

第三のサインは、セグメント配信をしても配信数が足りない場合です。後述する配信数節約の工夫をしても月5,000通では足りなくなったら、ビジネスが次の段階に成長した証拠です。

これらのサインが現れたら、スタンダードプランへの移行を前向きに検討しましょう。月額は3倍になりますが、配信数は6倍の30,000通になり、さらに追加配信も可能になります。

配信数を節約して5,000通を有効活用する方法

LINE公式アカウントには、配信数にカウントされない便利な機能が複数存在します。これらをうまく活用すれば、月5,000通という制限の中でも十分なコミュニケーションが可能です。

また、全員一斉配信から脱却し、ターゲットを絞った配信に切り替えることで、配信効率は飛躍的に向上します。配信数を30%以上削減しながら、成果を高める具体的な方法を紹介します。

チャットや自動返信は配信数にカウントされない

LINE公式アカウントには配信数にカウントされない機能が複数あります。もっとも活用すべきは「チャット機能」です。友だちから届いたメッセージへの返信は、何通送っても配信数にカウントされません。問い合わせ対応や予約確認など、個別のやり取りは積極的にチャット機能を使いましょう。

「あいさつメッセージ」も配信数にカウントされない重要な機能です。友だち追加時に自動で送信されるメッセージなので、クーポンや基本的な利用案内を盛り込むことで、通常配信の負担を軽減できます。

「応答メッセージ」も同様に無料です。特定のキーワードに反応して自動返信する機能で、営業時間の問い合わせや、よくある質問への回答に活用できます。「営業時間」というメッセージに自動で営業時間を返信する設定にすれば、個別対応の手間も省けます。

これらの機能を組み合わせることで、実質的なコミュニケーション量を大幅に増やせます。配信数5,000通という制限があっても、工夫次第で倍以上の情報伝達が可能になります。

属性別配信で無駄な配信を30%削減

全員一斉配信から属性別配信に切り替えることで、配信数を大幅に削減できます。LINE公式アカウントでは、性別、年代、居住地域などの属性で配信先を絞り込めます。

例えば、女性向け商品の案内を男性にも送っていた場合、女性のみに絞ることで配信数を約半分に削減できます。1,000人の友だちのうち女性が600人なら、400通の節約になります。

地域を絞った配信も効果的です。実店舗を持つ企業なら、店舗から半径5km以内の友だちだけに配信することで、来店可能性の低い遠方の友だちへの無駄な配信を避けられます。

さらに、メッセージの開封状況に基づいた配信も可能です。過去のメッセージを開封した友だちだけに次のメッセージを送ることで、関心の高いユーザーに絞った効率的な配信ができます。これらの手法を組み合わせることで、配信数を30%以上削減しながら、反応率の向上という結果が得られます。

開封率の低い友だちへの配信を見直す

配信効果を分析すると、特定の友だちグループの開封率が極端に低いケースがあります。3カ月以上メッセージを開封していない友だちへの配信を停止することで、配信数を15~20%削減できます。

LINE公式アカウントの分析機能を使えば、メッセージの開封率を確認できます。開封率が10%を下回るセグメントがあれば、配信内容や配信タイミングの見直しが必要です。それでも改善しない場合は、配信対象から除外することを検討しましょう。

配信時間帯の最適化も重要です。飲食店なら11時台と17時台、美容院なら10時台と19時台など、業種によって最適な配信時間は異なります。開封率の高い時間帯に配信を集中させることで、同じ配信数でもより多くの反応を得られます。

また、配信頻度を下げることで1回あたりの価値を高める方法もあります。週2回配信していたものを週1回に減らし、その分内容を充実させることで、開封率と反応率の向上が期待できます。量より質を重視した配信戦略により、ライトプランでも十分な成果を上げられます。

月5,000通を超えたらスタンダードプランへ移行すべき?

ビジネスが成長し、友だち数が増えてくると、いずれライトプランでは物足りなくなるときが来ます。月額が3倍になるスタンダードプランへの移行は大きな決断です。

移行のベストタイミングはいつか、手続きにかかる時間はどれくらいか、追加メッセージを使った場合との費用比較はどうなるか。プラン変更を検討する際に知っておくべきポイントを整理します。

友だちが2,500人を超えたら検討のタイミング

友だち数が2,500人を超えると、ライトプランでは月2回しか全員配信できません。この時点でスタンダードプランへの移行を真剣に検討すべきです。月2回の配信では、タイムリーな情報発信が難しくなり、競合他社に顧客を奪われるリスクが高まります。

実際に2,500人を超えてもライトプランを使い続けた企業では、配信頻度の低下により開封率が30%も下がったケースがあります。顧客は定期的な情報提供を期待しており、配信間隔が空きすぎると関心が薄れてしまうのです。

スタンダードプランなら月30,000通まで配信可能です。友だち2,500人でも月12回配信でき、週2~3回のペースで情報発信ができます。この配信頻度の差は、売上に直結する重要な要素です。

移行の判断基準として、月商に対するLINE経由の売上比率も考慮しましょう。LINE経由の売上が月10万円を超えているなら、月額15,000円のスタンダードプランは十分にペイする投資といえます。

プラン変更は即日適用、手続きは5分で完了

ライトプランからスタンダードプランへの変更は、驚くほど簡単です。LINE公式アカウントの管理画面から、わずか5分程度で手続きが完了します。

手順は、管理画面右上の「設定」から「月額プラン」を選択し、スタンダードプランの「アップグレード」ボタンをクリックするだけです。支払い方法が登録済みなら、確認画面を経てすぐに変更が適用されます。

アップグレードの最大のメリットは即日適用される点です。月中のどのタイミングでも変更でき、残り期間分の差額を支払えばすぐに30,000通の配信が可能になります。急なキャンペーンで配信数が必要になった場合も、柔軟に対応できます。

注意点として、ダウングレードは翌月適用となります。一度スタンダードプランに変更したら、その月はライトプランに戻せません。ただし、配信数に余裕ができることで得られるメリットを考えれば、この制限はさほど問題にならないでしょう。

追加メッセージ料金との比較シミュレーション

スタンダードプランの大きな特徴は、30,000通を超えても追加料金で配信を継続できる点です。追加メッセージは従量課金制で、最初の50,000通までは1通3円で利用できます。

例えば、月40,000通配信する場合を考えてみましょう。スタンダードプランの基本料金15,000円に加え、追加10,000通分の30,000円で、合計45,000円となります。一見高額に見えますが、1通あたり約1.1円という計算になり、費用対効果は悪くありません。

ライトプランで同じ40,000通を配信しようとすると、8カ月分の配信枠が必要です。つまり、40,000円相当の価値があることになります。この比較からも、大量配信が必要な場合はスタンダードプランが経済的であることが分かります。

さらに、配信数が増えるほど1通あたりの単価は下がります。50,000通以降はどんどん単価が下がっていく仕組みで、例えば500,001~600,000通は1.9円と2円を切ります。事業規模の拡大に合わせて、段階的にプランを見直していくことが重要です。

ライトプランを上手に活用して次のステップへ

ライトプランは、本格的なLINEマーケティングを始める企業にとって理想的なスタート地点です。月5,000通という配信数は、友だち数2,000人程度までなら十分に対応可能で、工夫次第でさらに効率的な運用も実現できます。

重要なのは、配信数の制限を「制約」ではなく「質を高めるチャンス」と捉えることです。限られた配信数だからこそ、ターゲティングの精度を上げ、配信内容を吟味し、効果測定を徹底できます。

まずは3ヶ月間、ライトプランで運用してみることをおすすめします。その間に友だち数の推移、配信頻度と反応率の関係、売上への貢献度などのデータを蓄積しましょう。そのデータを基に、スタンダードプランへの移行時期を見極めることができるはずです。

さらに効果的な運用を目指すなら、LINEマーケティングツールの活用も検討してみてはいかがでしょうか。例えば、よくある質問への自動応答や、営業時間の問い合わせ、予約受付などをチャットボットで自動化すれば、個別対応の手間を大幅に削減できます。また、ツールによっては顧客の属性や行動履歴をより詳細に分析し、本当に必要な人だけに絞ってメッセージを配信する機能も充実しています。これにより、月5,000通という限られた配信数でも、より高い成果を実現できるようになります。

LINE公式アカウントは、使い方次第で強力な販促ツールになります。ライトプランから始めて、必要に応じてツールを組み合わせながら、着実にステップアップしていく。それが多くの企業にとって、もっとも現実的で成功確率の高い道筋といえるでしょう。

▼株式会社エフ・コードでは、「hachidori」を提供しています。

hachidoriは、配信設定やタグ設計はもちろん、施策の提案・改善まで専任担当がサポートする
”成果直結型のLINEマーケティング支援ツール”です。

まずは機能や活用事例についてまとめた、サービス資料をダウンロードしてみてください。

目次
閉じる