LINE Payは、企業がキャッシュレス決済を導入する際の選択肢の一つとして2014年にスタートし、長年にわたり注目されてきたツールです。そのため、LINE Payの導入手順やメリット・デメリットを理解することは、ビジネスの成長にとって重要な要素でした。
今後もLINE Payと似たサービスが登場する可能性があるため、LINE Payの基本的な仕組みや導入手順、導入後の効果や注意点について確認しておくことをおすすめします。
この記事では、企業がLINE Pay決済サービスを導入する方法と、メリット・デメリットなどを合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※なお、LINE Payサービスについては、2025年4月30日をもって終了されることが発表されました。詳しい内容は、LINE Payサービス終了に関するお知らせの公式ページをご参照ください。
LINE Payとは?基本的な仕組みと特徴を解説
LINE Payは、LINEアプリ内で利用できるキャッシュレス決済・送金サービスです。以下に基本的な仕組みと特徴を解説します。
LINE Payの基本的な仕組み
LINE Payは、プリペイド方式で事前にチャージした残高を使って支払いを行う仕組みです。チャージをする際は、銀行口座やコンビニATM、レジチャージ、オートチャージなどさまざまな方法から選べます。
店舗での支払いは、QRコードやバーコードを使ったコード決済が主流で、オンライン決済にも対応しています。また、利用に応じてLINEポイントが貯まり、これを支払いに充当することも可能です。
LINE Payでは、LINE友だちへの送金や、複数人での割り勘が簡単にできるのも特徴です。
LINE Payの特徴
LINE Payは決済だけでなく、送金や割り勘、公共料金の支払いなど多岐にわたる機能があります。セキュリティ対策も万全で、専用パスワードや24時間365日の不正使用モニタリング、利用者補償制度などがあり、安全性が高いシステムです。
特典として、Visa LINE Payクレジットカードを利用すると、ポイント還元やクーポンが利用できます。
上記のように、LINE Payは、日常のさまざまなシーンで便利に使えるサービスです。
LINE Payの導入方法
次に、LINE Payの導入方法について説明します。
導入手順
LINE Payの導入は、次の手順で行います。
1.LINE Pay加盟店に申し込む
まず、LINE Payの公式サイトから加盟店の申し込みを行います。申し込みには審査があり、通常10営業日程度で完了します。
2.接続開発
自社で開発する場合と、提携パートナーを利用する場合があります。
自社開発の場合は、LINE Pay APIガイドを参照し、必要な接続開発を行います。一方、提携パートナーを利用する場合は、決済代行会社やカート事業者を通じて導入するのが一般的です。
3.運用開始
審査が完了したら、LINE Payが提供する管理画面「加盟店 My Page」にログインし、必要な設定を行います。売上確定処理やキャンセル処理などの操作方法も確認できます。
LINE Pay導入時の注意点
LINE Payの導入にあたっては、審査により導入できない場合もありますので、早めに申し込みを行うようにしましょう。
審査の完了後は、管理画面「加盟店 My Page」にログインし、連動キー(Channel IDとChannel Secret Key)を設定し、売上確定処理やキャンセル処理などの操作方法を確認することが重要です。
なお、導入に関する詳細はLINE Payの公式サイトをご参照ください。ただし、LINE Payサービスの終了に伴い、新規のアカウント開設は2024年11月29日をもって終了予定となっています。
LINE Payを導入するメリット6つ
LINE Payを導入することで、さまざまなメリットがあります。以下に主なポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- 比較的低コストで導入が可能
- 顧客とのつながりを強化できる
- 決済時間を短縮できる
- 若年層の顧客の増加につながる
- キャッシュレス化を促進できる
- ポイントの還元がある
それぞれ解説します。
1.比較的低コストで導入が可能
LINE Payの導入は、他の決済システムと比べて初期費用や運用コストが低めです。特に中小企業にとっては、コストパフォーマンスが高い選択肢となります。
2.顧客とのつながりを強化できる
LINE PayはLINEアプリと連携しているため、顧客とのコミュニケーションがスムーズに行えます。クーポンやプロモーション情報を直接送信することで、リピーターの増加が期待できます。
3.決済時間を短縮できる
QRコード決済を利用することで、現金やクレジットカードのやり取りが不要になり、決済時間が大幅に短縮されます。これにより、レジの回転率が向上し、顧客満足度も高まります。
4.若年層の顧客の増加につながる
LINE Payは特に若年層に人気があり、キャッシュレス決済を好む世代にアピールできます。これにより、新しい顧客層の獲得が期待できます。
5.キャッシュレス化を促進できる
キャッシュレス決済の導入は、現金管理の手間を減らし、セキュリティリスクを低減します。また、キャッシュレス化が進むことで、店舗の運営効率も向上します。
6.ポイントの還元がある
LINE Payを利用することで、顧客はポイント還元を受けることができます。これにより、顧客の利用頻度が増え、リピーターの獲得につながります。
LINE Payを導入するデメリット5つ
LINE Payを導入する際には、次の5つのデメリットを考慮する必要があります。
- 審査と導入手続きに時間がかかる
- 売上金の入金が遅れる
- ポイント還元率が比較的低い
- 決済に手数料がかかる
- 技術的な導入コストがかかる
それぞれ解説します。
1.審査と導入手続きに時間がかかる
LINE Payの導入には審査が必要で、通常10営業日程度かかります。審査が通らない場合もあり、その場合は再申請が必要です。
2.売上金の入金が遅れる
売上金の入金は通常、数日から1週間程度かかることがあります。現金取引に比べて入金が遅れるため、キャッシュフローに影響を与える可能性があります。
3.ポイント還元率が比較的低い
LINE Payのポイント還元率は他のキャッシュレス決済サービスと比べて低い場合があります。これにより、顧客の利用頻度が期待よりも低くなる可能性があります。
4.決済に手数料がかかる
LINE Payを利用する際には、決済ごとに手数料が発生します。これが利益率に影響を与える可能性があります。
5.技術的な導入コストがかかる
LINE Payを導入するためには、システムの開発や設定が必要です。これには技術的なコストがかかり、特に小規模な事業者にとっては負担となることがあります。
LINE Payと他のキャッシュレス決済サービスとの違いを比較
以下では、LINE Payと他のキャッシュレス決済サービスとの違いを比較しますので、ぜひ参考にしてください。
LINE Pay | Pay Pay | Suica | |
使いやすさ | LINEアプリ内で利用できるため、LINEの利用者には便利 | 専用アプリが必要ですが使い勝手は良好 | 交通系ICカードで、改札や売店での利用に便利 |
チャージ方法 | レジや券売機でのチャージが可能 | 携帯料金合算や売上金の利用が可能 | 駅の券売機やコンビニでチャージできる |
送金機能 | LINE友だちへの送金が可能で、銀行振込にも対応 | 相手もPayPayアプリを使っている場合は、QRコードやSNSを使った送金が可能 | なし |
特典 | クーポンやキャンペーンが豊富 | 高還元率のキャンペーンが多く、特定店舗での利用でさらに還元率がアップ | 定のポイントプログラムと連携している場合あり |
以下で、主な違いを解説します。
使いやすさ
利便性の比較では、LINE PayとPayPayはスマホでの利用が中心、Suicaはカード形式となっており、それぞれに特徴があります。
チャージ方法
チャージ方法は、LINE PayとPayPayは多様なチャージ方法がありますが、Suicaは駅やコンビニでのチャージが主体です。
送金機能
送金機能については、LINE PayはLINE友だちへの送金が簡単、PayPayはQRコードやSNSを使った送金が可能、Suicaは送金機能がありません。
特典
特典に関しては、LINE PayとPayPayはクーポンやキャンペーンが豊富ですが、Suicaは特定のポイントプログラムと連携している場合がある程度で、他と比較すると特典が少なめです。
LINE Payの導入がおすすめな業種5つ
LINE Payの導入をおすすめする業種として、特に以下の5つが挙げられます。
- 飲食店
- 小売店
- 美容室・サロン
- ホテル・宿泊施設
- エンターテインメント施設
それぞれ解説します。
1.飲食店
カフェやレストラン、居酒屋などの飲食店は、LINE Payを導入することで、スムーズな決済が可能となります。特に若年層の顧客が多い店舗では、キャッシュレス決済の需要が高まっています。
2.小売店
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの小売店でもLINE Payは非常に便利です。顧客がスマートフォンで簡単に支払いを済ませることができ、レジの混雑を軽減できます。
3.美容室・サロン
美容室やネイルサロンなどのサービス業でも、LINE Payの導入は顧客満足度を向上させる手段として有効です。予約管理やプロモーション情報の配信もLINEアプリを通じて行えるため、顧客とのコミュニケーションが強化されます。
4.ホテル・宿泊施設
ホテルや旅館などの宿泊施設では、チェックインやチェックアウト時の決済がスムーズに行えるため、顧客の利便性が向上します。また、LINE公式アカウントを活用することで、宿泊プランやキャンペーン情報を効果的に配信できます。
5.エンターテインメント施設
映画館やテーマパーク、スポーツ施設などのエンターテインメント施設でも、LINE Payを導入することで、チケット購入やグッズ販売の際の決済が簡単になります。
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LINE Pay決済サービスのまとめ
このように、LINE Pay決済サービスは、キャッシュレス決済に便利なツールとして注目されています。LINE Pay決済サービスの強みは、なんといってもLINEアプリのユーザーが多いことです。
LINEアプリは、日本国内の10代〜60代の人の8割以上が利用していると言われており、今後導入する人もお店も増えると考えられます。また、プリペイド式であるため、「残高以上に使いすぎない」のもユーザーが安心して使える魅力の一つで、年齢を問わず使えます。
そこで、ぜひLINE Pay決済サービスを活用して、貴社のマーケティング戦略にお役立てください。
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