カスタマージャーニーマップ作成の基本ステップとUX向上の重要性を解説

カスタマージャーニーマップとは、顧客が製品やサービスを利用する際に経験する一連のプロセスや感情を可視化したものです。

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客のニーズや課題を把握し、UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させることができます。

しかし、カスタマージャーニーマップを作成する具体的なステップや、UXを向上させる重要性について、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、カスタマージャーニーマップ作成の基本ステップとUX向上の重要性について、わかりやすく解説します。企業のマーケターの方はもちろん、マーケティングに興味のある方も、ぜひ参考にしてください。

目次

カスタマージャーニーマップとは?作成するメリットも解説

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知り、購入し、利用するまでの一連の体験を時系列に表したものです。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット4つ

カスタマージャーニーマップを作成するメリットは、以下のようなものがあります。

  1. 顧客のニーズや課題、感情などを深く理解できること
  2. 顧客に合わせた最適なマーケティング施策やコンテンツを提供できること
  3. 顧客体験の改善点や問題点を発見できること
  4. 社内の関係者間で顧客視点を共有できること

それぞれ解説します。

1.顧客のニーズや課題、感情などを深く理解できること

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客がどのような目的や動機で製品やサービスを利用するのか、どのような疑問や不安を抱えているのか、どのような満足や不満を感じているのかなどを明確に把握できます。

これにより、顧客の本質的な価値観やニーズに沿った提案やサポートができるようになります。

2.顧客に合わせた最適なマーケティング施策やコンテンツを提供できること

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客がどのような情報源に触れているのか、どのようなタイミングで判断を下しているのか、どのような要素に影響を受けているのかなどを分析できます。

これにより、顧客に最適なメッセージやコンテンツを適切なチャネルやタイミングで届けることができるようになります。

3.顧客体験の改善点や問題点を発見できること

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客がどのような感情や思考を持っているのか、どのようなフリクションやギャップがあるのか、どのような期待や要望があるのかなどを可視化できます。

これにより、顧客体験の改善点や問題点を発見し、解決策や改善策を考えることができるようになります。

4.社内の関係者間で顧客視点を共有できること

カスタマージャーニーマップを作成することで、社内の関係者間で顧客の声やフィードバックを共有可能です。

これにより、社内のコミュニケーションや協働が円滑になり、顧客にとって価値のある製品やサービスを提供できるようになります。

カスタマージャーニーマップの作成手順

それでは次に、カスタマージャーニーマップの基本的な作成手順を解説します。

  1. ペルソナを設定する
  2. 縦軸と横軸を設定する
  3. 顧客の行動と感情を整理する
  4. タッチポイントを設定する
  5. マッピングする

それぞれ解説します。

1.ペルソナを設定する

ペルソナとは、ターゲットとなる顧客の典型的な像を具体的に描いたものです。

ペルソナを設定することで、顧客の目的や動機、ニーズや課題、嗜好や行動パターンなどを明確にできます。

ペルソナを設定する際には、以下のような項目を考えることが重要です。

  • ターゲットの年齢や性別、職業、家族構成などの基本情報
  • 製品やサービスを利用する目的や動機、期待や要望
  • 製品やサービスを利用する際に抱える課題や不安、不満
  • 製品やサービスに関する知識や経験、情報源
  • 製品やサービスに対する評価や感想、満足度
  • 製品やサービスに関する嗜好や行動パターン、購買プロセス など

また、ペルソナを設定する方法には、以下のようなものがあります。

  • 顧客インタビューやアンケートなどの定量的・定性的な調査を行う方法
  • 既存の顧客データや市場調査などのセカンダリーデータを分析する方法
  • 顧客の声やフィードバック、SNSやレビューサイトなどのオンラインデータを収集する方法
  • ペルソナのテンプレートやツールを利用する方法

2.縦軸と横軸を設定する

縦軸と横軸とは、カスタマージャーニーマップを表す際に用いる軸のことです。

縦軸と横軸を設定することで、カスタマージャーニーマップの枠組みを決めることができます。

縦軸と横軸を設定する際には、以下のような項目を考えることが重要です。

縦軸

縦軸は、顧客の感情や思考、満足度などを表す軸です。縦軸には、高低や良悪などの尺度を用いて、顧客の体験の質を測ります。

横軸

横軸は、顧客の購買プロセスや体験の流れを表す軸です。横軸には、認知、検討、購入、利用、リピートなどのフェーズを用いて、顧客の体験の順序を示します。

3.顧客の行動と感情を整理する

顧客の行動と感情とは、各フェーズで顧客がどのような行動を取り、どのような感情や思考を持つかを整理したものです。

顧客の行動と感情を整理することで、顧客の体験の内容や特徴を把握できます。

顧客の行動と感情を整理する際には、以下のような項目を考えることが重要です。

顧客の行動

顧客の行動とは、顧客が製品やサービスに関して行う具体的な行動のことです。顧客の行動には、検索する、比較する、購入する、利用する、レビューするなどがあります。

顧客の感情

顧客の感情とは、顧客が製品やサービスに関して抱く感情や思考です。顧客の感情には、興味を持つ、疑問を感じる、不安になる、満足する、不満を抱くなどがあります。

4.タッチポイントを設定する

タッチポイントとは、顧客と製品やサービスが接触するポイントのことです。

タッチポイントを設定することで、顧客の体験のポイントを明確にできます。

タッチポイントを設定する際には、以下のような項目を考えることが重要です。

タッチポイントの種類

タッチポイントは、顧客が主体的に行うアクティブなものと、顧客が受動的に受けるパッシブなものに分けられます。

アクティブなタッチポイントとは、ウェブサイトやSNSなどのオンライン媒体、店舗やカタログなどのオフライン媒体などが挙げられます。

一方、パッシブなタッチポイントとは、広告や口コミなどの外部からの情報、製品やサービスの品質や価格などの内部からの情報などです。

タッチポイントの影響度

タッチポイントは、顧客の購買意欲や満足度に与える影響の度合いによって、高いものと低いものに分けられます。

高い影響度のタッチポイントとは、製品やサービスの体験や評価などの直接的なものです。一方、低い影響度のタッチポイントとは、広告や口コミなどの間接的なものが挙げられます。

5.マッピングする

マッピングとは、縦軸と横軸、顧客の行動と感情、タッチポイントを組み合わせて、カスタマージャーニーマップを作成することです。

マッピングすることで、顧客の体験の全体像を視覚的に表現できます。

マッピングする際には、以下のような手順を踏むことが重要です。

  1. 縦軸と横軸を決める
  2. 各フェーズでの顧客の行動と感情を記入する
  3. 各フェーズでのタッチポイントを記入する
  4. 顧客の感情や満足度をグラフや色などで表す
  5. 顧客の体験の改善点や問題点を記入する
  6. 顧客に提供するべき情報やコミュニケーション、改善策などを記入する

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カスタマージャーニーマップの活用方法

以下では、カスタマージャーニーマップを活用するメリットと、具体的な活用方法を解説します。

カスタマージャーニーマップを活用するメリット

カスタマージャーニーマップを活用するメリットには、次のようなものがあります。

顧客体験を向上させることができる

カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客のニーズや課題を理解し、それに応える施策を考えることができます。また、顧客の満足度やロイヤルティを高めることにも繋がります。

顧客との接点を強化できる

カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客がどのようなチャネルやメディアを通じて自社と関わるかを把握し、最適なタイミングや方法でコミュニケーションをとることができます。また、顧客の関心や信頼を獲得することにも繋がります。

課題の優先順位を明確にできる

カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客の購買プロセスの各段階で発生する課題やボトルネックを特定し、解決すべき順序や方法を決めることができます。また、効率的かつ効果的な施策の実行にも繋がります。

カスタマージャーニーマップの具体的な活用方法

カスタマージャーニーマップの活用方法は、大きく分けて以下の4つのステップに分けられます。

1.カスタマージャーニーマップの作成

まずは、顧客のペルソナや購買プロセスを定義し、各フェーズでの行動や思考、感情、課題などをマッピングします。

顧客データやインタビューなどを参考にして、できるだけ現実に近いマップを作ることが重要です。

2.カスタマージャーニーマップの分析

カスタマージャーニーマップの分析では、マッピングした内容に基づいて、顧客の行動や感情の変化、課題の発生原因、改善ポイントなどを分析します。

顧客データの取得やアトリビューション分析などを活用して、客観的に評価することが重要です。

3.カスタマージャーニーマップの活用

カスタマージャーニーマップを活用する際は、分析した結果から、顧客体験を向上させるための施策を立案しましょう。そして、インパクトとコスト、またはインパクトと実現可能性の2軸で優先順位をつけて、計画的に実行することが重要です。

4.カスタマージャーニーマップの更新

カスタマージャーニーマップを更新する際は、施策の効果検証を行い、カスタマージャーニーマップに反映しましょう。顧客のニーズや行動は常に変化するものであるため、定期的に見直しや改善を行うことが重要です。

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カスタマージャーニーマップの活用とUX(ユーザーエクスペリエンス)向上の重要性

カスタマージャーニーマップとは、顧客がプロダクトやサービスに関わる一連のプロセスを視覚化したもので、顧客のニーズや課題を把握し、改善策を検討することができるツールです。

一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、プロダクトやサービスを利用する際にユーザーが感じる感覚や印象、体験のことです。

カスタマージャーニーマップとUXは密接に関連しており、カスタマージャーニーマップを活用することで、UXを向上させることができます。

例えば、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客の視点に立ってプロダクトやサービスの使用プロセスを分析することが可能です。これにより、顧客がどのような行動や思考、感情、課題を持っているかを理解し、それに応えるUXデザインの改善策を考えることができます。

また、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客がどのようなチャネルやメディアを通じてプロダクトやサービスと関わるかを把握することも可能です。これにより、最適なタイミングや方法でコミュニケーションをとることができるでしょう。これは、顧客の関心や信頼を獲得することにも繋がります。

さらに、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客の購買プロセスの各段階で発生する課題やボトルネックを特定することも可能です。これにより、解決すべき順序や方法を決めることができるため、効率的かつ効果的なUXデザインの実行ができます。

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カスタマージャーニーマップ作成におすすめのツール「CODE Marketing Cloud」

「CODE Marketing Cloud」は、カスタマージャーニーマップを自動生成する機能を備えています。

この機能を利用することで、以下のようなメリットがあります。

  • ユーザーのサイト内行動や属性を分析して、ペルソナやフェーズを自動的に設定できる
  • ユーザーの思考や感情、タッチポイントを可視化できる
  • ユーザーの課題やニーズに応じて、最適な接客施策を提案してくれる

また「CODE Marketing Cloud」は、カスタマージャーニーマップを作成するだけでなく、それを活用してWeb接客の効果を高めることができるツールです。

もし、カスタマージャーニーマップの作成にお困りの方は、ぜひ「CODE Marketing Cloud」を試してみてください。

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