Marketing Glossary DX・マーケティング用語集
CRM(シーアールエム)
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」を意味します。顧客の氏名や購入履歴、問い合わせ内容といった情報を一元管理し、そのデータを基に個々の顧客に合わせた最適なアプローチを行うことで、良好な関係を構築・維持するための経営手法や、それを支援するツールの総称です。
具体的には、顧客の基本情報(氏名、連絡先など)に加え、過去の購買履歴、Webサイトの閲覧履歴、問い合わせや商談の記録など、顧客に関するあらゆる接点の情報をデータベースに集約します。これにより、営業担当者が変わっても過去の経緯を正確に把握した上で対応できたり、カスタマーサポートが問い合わせ内容に応じて迅速かつ適切な案内を行えたりするなど、部門を横断した一貫性のある顧客対応が可能になります。
このようなきめ細やかなコミュニケーションは、顧客満足度の向上に直結し、結果としてリピート購入やアップセル(より高額な商品への乗り換え)を促進します。CRMの最終的な目的は、顧客との長期的な信頼関係を築き、LTV(顧客生涯価値)を最大化することにあります。
類似するツールにSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)がありますが、SFAが営業活動の効率化、MAが見込み客の育成に特化しているのに対し、CRMは既存顧客との関係性全般を管理する、より包括的な概念として位置づけられています。